かぜに抗菌薬は御法度?咳に抗菌薬は無効?

目次

かぜに抗菌薬は御法度?咳に抗菌薬は無効?

風邪はもっとも多い症状です、しかしその治療法は大きな議論と建前と本音、理想と現実が錯綜し、本などを読んでも結局なに?となります。このページは一非呼吸器内科の開業医の勉強ノート兼備忘録です。
勉強のネタは講演のスライドです、咳治療のガイドラインにも参加なさっている大学の呼吸器の偉い先生の建前と本音が聴けた大変印象的な講演でした。大人の事情で画像は鮮明ではございません。 

風邪の症状
  • 鼻水
  • 喉痛
  • 全身倦怠
  • 発熱
慢性咳嗽の鑑別診断

【ドクターからのコメント】

呼吸器のエキスパートの先生が製薬会社のいない会合で面白いお話をしてくれました。講演の対象は咳を伴う風邪です。

 

ページTOPへ戻る

風邪に抗菌薬はご法度

2003年に日本呼吸器学会が明示
第411回 急性気道感染症 mov
  • 2003年呼吸器内科の成人気道感染症の専門医会は風邪はウイルスが原因、抗菌剤は必要ないと明示。
  • 実際 風邪に抗菌薬が必要ないという研究結果が欧米を中心とした多くある。
  • 風邪に対する抗生剤の治療は効果があるエビデンスがなくネガティブなデーターが多く出ている。

 

ページTOPへ戻る

かぜ症候群へ抗菌剤の投与は必要か?

呼吸器専門医が抗生剤なしで風邪治療を実施した結果
貼り付けた画像 2014 10 20 23 29
  • 呼吸器の専門の実地医が実施
  • プライマリケア施設で風邪に抗菌薬を使用しなかった!
  • 787例で90%以上が一週間以内に症状の改善・満足
  • 抗菌薬を使わなくても素晴らしい結果だが…..

 

ページTOPへ戻る

かぜ症候群患者への抗菌薬投与頻度1

風邪にどれくらい抗生剤を処方しているか?
第411回 急性気道感染症 mov
  • ガイドラインの出来る2年前の2001年の大阪のデータ
  • 大阪の呼吸器専門医が調査を実施
  • この頃の大阪は欧米に比べても風邪に対して抗菌剤の使用が少ない(欧米は60%)
  • 2年後にガイドラインが出来て、全国的に啓発したが….
  • 減るどころか毎年増えている
  • ガイドラインの意味ないやん!
  • 演者はガイドライン制作の委員です、そこが面白い。

 

ページTOPへ戻る

かぜ症候群患者への抗菌薬投与の理由

抗生剤は何故投与されたか?
第411回 急性気道感染症 mov
  • 抗生剤の投与は過去の研究により細菌の二次予防や重症化予防のエビデンスはないことははっきり証明されている。
  • 抗菌剤の投与が増えたのは患者の希望が最大の原因

 

ページTOPへ戻る

急性気管支炎の原因微生物

成人の気管支炎の原因は7割がウイルス性
急性気管支炎の原因微生物
風邪症候群 起炎菌 pdf
  • 健康な成人の風邪は
  • 7割はウイルス性
  • 3割はマイコプラズマやクラミジア
  • マイコプラズマやクラミジアは抗生剤が効く

 

ページTOPへ戻る

どの抗菌剤を使用すべきか?

咳風邪に対してβラクタム系やセフェム系はやめましょう
どの抗生剤は良いか
  • セフェム・βラクタム系は気道移行性が悪い
  • セフェム・βラクタム系は咳の風邪には効かない
  • フロモックス・メイアクトは咳風邪にはダメ・ダメ
  • リンコマイシン系(ダラシンカプセル)は気道の移行性が良いく嫌気性菌にとても良く効く
  • リンコマイシン系は薬剤の気道組織濃度は100倍!
  • でもリンコマイシン系はマイコやインフルエンザ菌に効かない(TдT)
  • テトラサイクリン系は原因不明の呼吸器感染症(リケッチア)などによく使う
  • ニューキノロンは広範囲によく効く、耐性が出来るので使って欲しくは無い……

 

ページTOPへ戻る

 

咳症状;マクロライド系と経口セフェム系

咳止め効果はマクロライド系が優れる
マクロライド系 VS セフェム系
  • ニューキノロンの比較データは入っていませんが
  • 抗生剤を三日間投与し咳の改善を比較
  • セフェム系はウイルスにも非定型肺炎にも効かない、3割5分は勝手に治った結果
  • 咳に抗菌剤を使うならセフェム系・βラクタム系はやめましょう

 

ページTOPへ戻る

なぜ咳が出るのか?

気道過敏性・痰・炎症
なぜ咳がでるか
  • 炎症がおこり…..
  • 気道過敏性亢進(←マクロライド系はこれに効く)
  • 粘液の過剰分泌(←マクロライド系はこれにも効く)

 

ページTOPへ戻る

気道過敏性に対するマクロライドの効果

マクロライドは8週間必要?!
気道過敏性に対するマクロライドの効果
  • 気道過敏性を抑制効果は8週間必要、長期使用して初めて効く!
  • 短期間の使用では効果が期待できない!速効性なし
  • マクロライドは好中球に効く、サイトカインの放出を抑制する

 

ページTOPへ戻る

クラミジアは気道のムチンMUC5ACを増加させる

クラミジアとマイコはムチン(痰)を増加させる
第411回 急性気道感染症 mov
  • MUC5ACは気道のムチンの主成分
  • マイコとクラミジアはMUC5ACの産生↑
  • 百日咳はMUC5ACの産生を増やさない

 

ページTOPへ戻る

MUC5A産生に対するマクロライド系抗菌剤の効果

マクロライドならなんでも良いわけではない
MUC5A産生に対するマクロライド系抗菌剤の効果
  • 同じマクロライドでもムチン抑制効果は異なる
  • アジスロマイシンは気道移行性は無茶苦茶悪いのでムチンの産生も抑制しない、咳には使用しないように
  • しかもアジスロマイシンが使用されてからマイコプラズマの耐性菌が増えている(TдT)
  • ナリスロマイシンは最高に良かったが副作用の問題で販売中止に!

 

ページTOPへ戻る

難治性気道感染症

なかなか治らない咳・痰
難治性気道感染症
  • 耐性化したマクロライドと免疫の過剰反応
  • 診断の難しい百日咳
  • 薬剤耐性・持続感染型の肺炎クラミジア
  • 咳喘息、アトピー咳嗽、COPDに続発した病原体の感染(一般の病院ではこれが一番多い!)

 

ページTOPへ戻る

難治性マイコプラズマの頻度?

トップバッターはやはりマイコ
難治性マイコプラズマの頻度
  • マイコの診断は新しいキットが出来たの簡単になった
  • 診断がついて適切な抗生物質を投与したが
  • 症状が改善しない、ミノマイシン、ニューキノロンも効かない
  • しかも症状の悪化が早い!
  • 頻度は3〜5%

 

ページTOPへ戻る

難治性マイコプラズマの問題点

抗生剤の投与にもかかわらず急速に悪化する肺炎
マイコプラズマの問題点
  • 若い男性が肺炎で入院
  • ペニシリンを投与するが悪化!
  • 症状が急速に変化

 

ページTOPへ戻る

ステロイドが効果的な肺炎

時には肺炎にもステロイド!
ステロイドが効果的な肺炎
  • 抗菌剤にステロイドを併用したらあっという間に改善
  • 一般的な肺炎にステロイドは禁忌!
  • 抗生物質の効かない難治性マイコプラズマ肺炎の原因は過剰な免疫反応!

 

ページTOPへ戻る

難治性マイコプラズマの治療経過

ステロイドの投与で肺炎の増悪(挿管)を回避
難治性マイコプラズマ肺炎の経過
  • 早期にステロイドを投与すると挿管が回避出来る
  • ステロイドが効く肺炎は……
  • マイコプラズマ
  • ニューモシスチス肺炎
  • レジオネラ?
  • 以上3つのみ
  • その他の肺炎にはステロイドを使用してはいけない

 

ページTOPへ戻る

難治性マイコプラズマと各種サイトカインの検討

肺炎重症化例ではIL18が上がっている
難治性マイコプラズマとサイトカイン
  • 難治性マイコプラズマ肺炎で何が起こっているのか?
  • 様々なサイトカインを調べた
  • IL-18が関係していた!
  • クラミジア、百日咳は全く違っていた、このデーターはマイコのみ

 

ページTOPへ戻る

血清IL-18と肺炎重症度の相関

境界の目安はIL-18が1000か!
第411回 急性気道感染症 mov
  • 肺炎にステロイドを投与する判断基準は?
  • 結構古いデータ
  • この治療をしている時点では重症肺炎とIL-18の関係はわかっていなかった
  • 重症患者には経験的にステロイドを使用した
  • ステロイドを使用したのは2例のみ
  • 重症だった患者はどうもIL-18が高値であった
  • 境界はどうも1000にあるようだ

 

ページTOPへ戻る

血清IL-18値と血清LDHの相関

IL-18をルーチンで測るわけにはいかないのでLDHで代用
血清IL 18値と血清LDHの相関
  • IL-18と対応するマーカーをいろいろ調べた
  • WBC,CRP,TP,ALT,ASTなど
  • LDHだけ相関していた
  • 境界は480

 

ページTOPへ戻る

クラミジアの感染様式

2番バッターはクラミジア
クラミジアの感染様式
  • ヒトからヒトに映る
  • 体内に侵入してから性格が変わる物がある
  • セフェム系・βラクタム系を使用するとクラミジアが化ける
  • だから難治性の咳(気道感染)にはセフェム系・βラクタム系は使用しない!
  • セフェム系・βラクタム系は咽頭炎、皮膚感染症、尿路感染症にはよく効く。

 

ページTOPへ戻る

クラミジアの病態

症状は強くない、肺炎はほとんどない
第411回 急性気道感染症 mov
  • 炎症反応が弱い
  • オウム・マイコプラズマは炎症が激しい
  • オーラルセックスが原因のクラミジア咽頭炎は極めて難治性
  • クラミジアは肺炎にまずならない、胸部レントゲンでは分からない。
  • クラミジアはほとん上気道感染、ウイルスと同じ。

 

ページTOPへ戻る

クラミジアの持続感染菌体はセフェム系βラクタム系抗生物質でできる

不適切な抗生剤の投与で難治性の菌体に変化
クラミジアの持続感染菌体はセフェム系βラクタム系抗生物質でできる
  • インターフェロンγは様々なウイルスに対して抗ウイルス作用を示すが
  • クラミジアはインターフェロンγでむしろ薬剤耐性、持続感染菌体に変身する。
  • またβラクタム系・セフェム系はインターフェロンγを生体内で誘導させる
  • βラクタム系・セフェム系の抗生物質はクラミジアの薬剤耐性・持続感染菌体への変身を促進させてします
  • よって上気道炎にβラクタム系・セフェム系は使用しない
  • 肺炎は全く別、肺炎は細菌が起炎菌になる、βラクタム系・セフェム系も効く

 

ページTOPへ戻る

咳の原因微生物の診断トピック

マイコとクラミジアは迅速診断キットが出ました
咳の原因微生物の診断トピック
  • マイコプラズマの診断は新しいキットで格段に簡単になった
  • 肺炎クラミジアの迅速診断キットも2014年にでる?もうすぐ
  • 百日咳は現在はまだIgGのみで診断に時間がかかる

 

ページTOPへ戻る

基礎疾患のある急性気管支炎の病原菌

COPDでは起炎菌が細菌に!健常者とは事情が全く異なる
基礎疾患のある急性気管支炎の病原菌
  • 肺に基礎疾患がある場合は全く異なる
  • 細菌が起炎菌になる!
  • 抗菌薬が風邪で必ず必要になる。

 

ページTOPへ戻る

COPDの増悪と患者予後

COPDでは急性増悪を繰り返すと生存率が下がる!
COPDの増悪と患者予後
  • COPDの患者は風邪で命を縮める、肺機能を悪化させる。
  • COPD患者の風邪には早期に必ず抗生物質を使用するように!

 

ページTOPへ戻る

COPD急性増悪期(キノロン VS その他抗菌剤)

COPDの急性増悪にはニューキノロン(クラビットはダメ!)
慢性気管支炎の急性増悪期後の経過
  • COPDの急性増悪期に使用する抗菌剤を比較
  • 治療失敗・新たな増悪・追加抗菌薬の使用の全てにおいて
  • 全てにおいてニューキノロンが勝っていた。
  • ニューキノロンならなんでも良いわけではない
  • 嫌気性菌に効かないのでクラビットはダメ!

 

ページTOPへ戻る

マクロライドの予防効果

マクロライドの長期低量で風邪予防
第411回 急性気道感染症 mov
  • CマクロライドはCOPD患者の風邪を予防できる。
  • (話は戻るが)マクロライドは好中球の炎症を抑えるはわかっていた
  • COPD患者にマクロライドを使用し風邪を予防出来る事を
  • 日本人が世界で初めてデータを出した
  • 欧米のトップジャーナルに追試が行われ、COPD等慢性の下気道炎症に効果が認められた
  • 2012年、慢性の好中球性気道疾患にマクロライドの少量長期が保険で可能になった

 

ページTOPへ戻る

マクロライドの急性増悪抑制効果

マクロライドで急性増悪が減少
マクロライドの急性増悪抑制効果
  • 日本ではまだまだ少量長期マクロライド療法は叩かれているが
  • アメリカではCOPD患者に対すマクロライド療法は推奨A

 

ページTOPへ戻る

非結合型肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス等)の肺炎予防効果

ニューモバックス、一見とても良く効きそうですが….
23価肺炎球菌ワクチンの肺炎予防効果
  • 上記のデーターは嘘ではないが…….
  • 日本の唯一のニューモバックスのデーターで特定の超高齢者が対象

【豆知識】

ワクチンには抗原をキャリアに結合した結合型と非結合型があり、結合型の方が免疫反応が強く抗体が出来やすい。 ニューモバックスはキャリアを使用せず、肺炎球菌莢膜抗原を単体で利用する多糖体ワクチン。 小児に肺炎球菌ワクチンはプレベナー13は13価肺炎球菌結合型ワクチンです。

 

ページTOPへ戻る

非結合型肺炎球菌ワクチンの65歳以上の肺炎予防効果

対象を65歳以上に広げるとほとんど効果がない!
第411回 急性気道感染症 mov
  • 超高齢者ではなく対象を65歳以上にすると….
  • ニューモバックス単独ではほとんど効果がない
  • 海外のいろいろな論文でも同じような結果
  • インフルエンザワクチンをわせると有意差がでる
  • もうすぐ海外の成人のデータがでる13価肺炎球菌結合型ワクチンの方が良いデータが出そう

 

ページTOPへ戻る

咳診療での胸部レントゲンの有用性

呼吸器のエキスパートでも胸部レントゲンだけではわからない
咳診療での胸部レントゲンの有用性
  • 7日以上の咳はウイルス性の可能性は低い
  • 7日以上長引くウイルス性咳嗽はインフルエンザとRSを考える
  • 熱もない、前医の気管支拡張剤も使用されていたので
  • マイコ・咳喘息ではなさそう
  • 夏場で若いので百日咳・アトピー咳嗽
  • 患者の母親にCTを取るように命令される(TдT)

 

ページTOPへ戻る

マイコプラズマ肺炎の初期像

マイコプラズマ肺炎は胸部単純ではわからないことが多い
マイコプラズマ肺炎の初期増
  • 取ってびっくりマイコプラズマ肺炎でした
  • 呼吸器のエキスパートでも分からなかった
  • 重度でないマイコプラズマ肺炎は胸部レントゲンでは分からない
  • 発熱も無いこともある

 

ページTOPへ戻る

咳外来でレントゲンはどこまで有用か?

CTじゃないとわからない
咳外来でレントゲンはどこまで有用か
  • 2009-2013年の4年間調査した
  • 7日以上の持続・増強する咳
  • 他院でなかなか治らない
  • 胸部X線で異常がない
  • 結果は
  • 53例でマイコプラズマを認めた
  • 31例ではCTでも異常なし

 

ページTOPへ戻る

No tags for this post.
サブコンテンツ

このページの先頭へ