ケナコルトと花粉症

ケナコルトの注射は他の治療法で花粉症が治らない場合に限ります、初診では実施致しません。 

はじめにcss

  • ナコルトほどほどに注射すれば大丈夫。
  • 花粉症はまずは他の薬で治療しましょう。
  • どうしてもダメならケナコルト。
  • まず一般的な花粉症の治療を行ってください。
  • ケナコルトの注射は他の治療法で効果がない時にのみ行っています。

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ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)は散々叩かれている薬です、花粉症に良く効くが副作用が多く、花粉症にケナコルトを注射する医者は「ヤブ医者だ!」、「人間性を疑う!」など散々に叩かれます。
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ケナコルトを良く使用していました、使用対象は肥厚性瘢痕で1回の使用量はケロイドの大きさにもよりますが多くても約8mg(プレドニン換算で10mg)、効果を見ながら約1ヶ月間隔で2〜4回局所注入していまいた、ケロイドや肥厚性瘢痕に大変良く効きました。

 

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批判の元

ケナコルト危険説の引用としてよく利用されるのが厚生労働省の医療従事者向け花粉症専門相談箱2012 www.allergy.go.jp/kahun/index.htmlでそこには以下のようなコメントがあります

デポステロイド(商品名 ケナコルト、デポ・メドロール など)筋注は保険で認められていま すが、問題は副作用です。ケナコルトAを1バイアル(40mg)筋注しますと、血中濃度は筋注後3時間でピークとなり、その後3週間まで有効濃度が維持さ れます。一方、血中コルチゾール値は筋注後2週間の間0となり、副腎皮質機能の抑制は3~4週間続きます。また、排卵に与える影響については、卵胞期初期 に投与した場合には排卵は2週間以上抑制され、再開は3〜6週後になると報告されています。2000年に行われました花粉症患者さんを対象とした調査では 545名中12.7%の方が本治療の経験がありましたが、その効果に対する満足度は他の治療法に比較してむしろ低値であり、かつ1シーズンに3回以上筋注 を受けていた方が37.5%もあり、さらに副作用について説明を受けている方は40.6%にすぎませんでした。他に副作用の少ない治療法が多数あり、本治 療法は一般的にはすすめられません。患者さんの強い希望により使用する場合でも副作用の可能性、禁忌疾患(高血圧、糖尿病、感染症、緑内障、白内障など) の有無を確認し、十分なインフォームドコンセントを得る必要があります。

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このコメントがケナコルト危険説の大きな根拠、また引用元となっています。 ケナコルトのインタビューフォームでは副腎皮質機能低下の頻度は0.1%でその後、副腎皮質機能が戻らなかった症例の記載はありませんでした(調査症例数1102人、副作用発生症例数207例)、また一部のサイトで一度低下した副腎皮質機能が戻らない可能性がなど過度に煽るのは如何ものでしょう?可能性としては0ではありませんが少なくとも0.1%以下と思われます、もっとも私は一般診療で大量に投与する必要性を感じませんが……….

 

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ステロイドの薬理作用と特徴

経口ステロイド薬の薬理作用と特徴

 

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トリアムシノロンア(セトニド)は糖質代謝作用、抗炎症、抗アレルギー作用が強く、しかも鉱質代謝作用が弱いためナトリウム、水分の体内貯留に基づく浮腫などが少ないという特長を有する

【ドクターからのコメント】

ケナコルトの抗炎症作用はプレドニンの1.25倍ある。ケナコルトはレダコートの改良品で、ケナコルトは経口投与ではレダコートと同等の治療効果しか得られてませんでしたが非経口投与で強力な治療効果を発揮し、経口薬でなく注射薬や外用剤として製品化されたものです。

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ケナコルトの血中濃度の推移

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筋注されたケナコルト40mg(1V)は投与後3時間で最高血中濃度51.7μg/dLに達して6日後には約1/3の15.2μg/dLにまで減少、その後血中濃度はあまり下がらず有効血中濃度が14−21日間持続します。15.2μg/dLはプレドニンに換算すると19.0μg/dLに相当するので、下の図より10-15mg経口摂取した血中濃度に相当すると思われます。ようするにケナコルト40mg筋注はプレドニン10-15mg内服を2〜3週間する事になります。

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ケナコルトの血中濃度は3時間でピークになり、1週間で3分の1まで下がりそれが2〜3週間続く。ケナコルト40mg筋注はプレドニン10-15mg内服を2〜3週間に相当します、それならプレドニンを2〜3錠飲めば良くないか?

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プレドニンの血中濃度の推移(比較として)

プレドニンの薬物動態

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健康成人 1 例にプレドニゾロン 5,20,40 mg 単回経口投与後の血中濃度は投与 1 ~ 2 時間 後に投与量に応じたピーク値を示し,24 時間後には血中から消失した

【ドクターからのコメント】

プレドニン内服は1日で効果がなくなる。

 

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治療効果

ケナコルト筋注の効果

自己免疫疾患の関節リュウマチ・SLE、気管支喘息、湿疹〜皮膚疾患、腱鞘炎など整形疾患と実に幅広く使用されています、花粉症に対しては有効率は95% も近くあり、データー上はとても良く効いています。私がよく使用していたケロイドに対しての有効率も約95%になります、ネフローゼ症候群・神経皮膚炎(?)・尋常性乾癬・腱鞘炎・外陰炎を除いて軒並み90%以上の有効率です。

【ドクターからのコメント】

花粉症に対しては有効率は95%、よく効いていると思います。

 

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用法と用量

私は関節内に注射したことがありませんので、筋肉注射について記載します、インタビューフォームの記載では筋肉注射の用量は「通常、成人にはトリアムシノロンアセトニド(ケナコルト)として、1 回20 ~80mg を1 ~ 2 週おきに筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する」とあります、ムムッこれはたしかに多いです、20〜80mgは0.5V〜2Vになります、これを1〜2週間間隔で同じ部位に筋肉注射したら経験上かなり高確率で凹みます。そもそもこの用法から間違っているのではないでしょうか?多すぎる印象を持ちます。ちなみに元職場の花粉症の上司(医師)は自分で自分の臀部にケナコルト40mgを筋注して凹ませていました。

【ドクターからのコメント】

1 回20 ~80mg を1 ~ 2 週おきに筋肉内注射!これは多いと思います、80mgを1〜2週間間隔で筋注するとかなりの副作用が出そうです。

 

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副作用の抜粋

重大な副作用の頻度
  • 誘発性感染;1.0%
  • 続発性副腎機能不全;0.1%
  • 糖尿病;0.5%
  • 消化性潰瘍;0.1%
  • うつ病;0.1%
高頻度の副作用(0.5%以上)
  • 満月様顔貌;3.9%
  • 月経異常;3.6%
  • 痤瘡;2.5%
  • 皮下出血;1.0%
  • 皮膚萎縮;1.0%
  • 膿瘍;1.0%
  • 高血圧;0.5%
  • 糖尿病;0.5%

【ドクターからのコメント】

副腎抑制と萎縮の副作用の頻度が少なく、満月様顔貌の副作用頻度が思いのほか高い印象を持ちます。また筋肉注射の使用量が「1回20 ~80mg を1 ~ 2 週おきに筋肉内注射、年齢、症状により適宜増減する」とあり最小は20mg、最大は80mgと量が4倍違います、一様に副作用の頻度として扱って良いのかかなり疑問です。

 

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結語

今回ケナコルトのインタビューフォームを読んだ印象として、副作用の頻度は思ったほど高くない、他の治療法でどうしてもダメな場合は、インフォームドコンセント後に患者さんが納得されるなら選択肢の1つとして良いのではないかと思います。 ケナコルト、上手に使えば副作用もあまり起こさずにとても良く効くかわいそうな薬剤です。

【ドクターからのコメント】

星の原クリニックではケナコルトの筋注は自由診療です、1回8,000円(税別)になります。

 

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