骨粗鬆症の最近の知見(2012年5月)

初めに

2011年の骨粗鬆症ガイドラインを元にした、〈骨粗鬆症の最近の知見〉という内容の講演を2012年5月に聞いて来ました、2014年に一部改定されましたが、ガイドラインに大きな変更はございません。  2011年の骨粗鬆症の予防と治療のガイドラインにも詳細が書かれていますが、要点がいまいち掴めず、講演など生の声はとても勉強になります。
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骨粗しょう症は日本の高齢化に伴い毎年30%近く増加している。患者すは女性が980万人、男性が約三分の1の300万人、合計約1,200万人、意外にも感覚的にはほとんどいないと思っていた男性の骨粗しょう症患者が多い。他の慢性疾患と同様に治療を受けている患者は全体の2割のみで、8割は未治療状態である。治療の潜在的需要は大変多いようです。

【ドクターからのコメント】

高齢の女性の方には骨粗鬆症はよく見かけますが、男性の骨粗鬆症には出会ったことがございません。

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骨粗鬆症で骨折しやすい部位

骨折部位

 

50歳女性の生涯における骨折リスクは椎体骨折が37%大腿近位骨折が20%大腿骨頭骨折が17%とかなりの割合で骨折します。

 

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骨密度の測定

診断に欠かせない骨密度測定機はDAX(デキサ法)が最も正確ですが機械が大きくて高価、正確に測定しようとすると面倒。 

DAX法
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DAXは大型で高価な為、大病院向けです。数値測定も正確ですが、測定条件でブレが出るようで一般クリニックでは全く必要ないものと感じました。

 

MD法
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星の原クリニックでは富士フイルムの画像診断ワークステーションを使用していますが最近フイルムレスでデジタルデータ処理によるMD(Microdesitometry)法で測定可能になり、便利になりました。

 

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女性は閉経後年齢の44歳を境に急激に骨密度が落ちる

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【ドクターからのコメント】

44歳は女性にとって更年期障害や骨密度低下など大変な年齢のようです。閉経後に骨密度が低下するのはとても有名で、一方男性のピークは女性より早い30歳!

 

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ビスフォスフォネートの骨折予防効果

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ビスフォスフォネート製剤は治療開始後6ヶ月で効果が現れ、60%近く骨折を少なくすることが出来る、どれくらいの期間治療が必要か?2年では治療を中止するとまた元に戻る、5年治療すると効果が持続するので5年間の治療が一つの目安。

【ドクターからのコメント】

6ヶ月後から骨折予防効果が認められるという図を見つけることができませんでしたが、上の図では2年以上の内服で50%以上の骨折予防効果が認められます。

 

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ビスフォスフォネート剤は骨折を予防するが骨密度はあまり改善させない

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ビスフォスフォネート製剤の登場により骨粗しょう症の治療はすすみ、治療により骨折率の低下は40〜50%近く低下したが、治療により高密度の改善はわずか2〜3%に限られ、骨密度と治療成績の間に大きなギャップがあり、骨密度による治療判定は評価が難しく、薬物治療が上手く入っても骨密度に反映されない。

【ドクターからのコメント】

骨折予防効果と骨密度の改善率のギャップがあまりにも大きい、原因は良くわかっていない様です、よってビスフォスフォネート製剤の治療評価を骨密度で行なうのはほとんど意味が無い。

 

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治療効果の判定

TRACP5bとPINP

治療効果の判定は骨吸収、骨形成マーカーによって行われる、特異度の高いマーカーとして吸収マーカーとしてTRACP5b、形成マーカーとしてPINPがよい(TRACP5bとPINPは双方とも日内変動が少ない)。 

FRAX

骨粗しょう症の診断基準にWHOのが推奨したFRAXという骨折リスク評価ツールがあるが計算のアルゴリズムが公開されていず、また治療の評価にも使用できない、更に数値算出の計算式も知らない間に変更されるため骨粗しょう症の業界の中でも評判がよろしくない、なんでも骨粗しょう症研究のエラさんがゴリ押ししてWHOにねじ込んだそうです。 

骨と言えばカルシュウム

カルシュウムの吸収は年齢とともに低下し、普通にカルシュウムを摂取するだけでは効率的に骨の形成に利用されない(いくら牛乳などを多く飲んでも駄目)。 

 

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ビタミンD製剤

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活性化ビタミンD;エディロール

活性化ビタミンDは最近の研究で腸や腎臓のカルシュウムの吸収だけでなく全身のいろいろな臓器に作用しているようでビタミンよりホルモンに作用が似ている。食事で多くのビタミンDを摂取するよりもビタミンDを活性化させる方が大切で、その為には日光が大切、目安として夏は日陰で30分が良く、直射日光の場合は全身が当たっている必要はなく体の一部が日光に当たっているだけで十分。

ビタミンDの活性化には紫外線が必要だが紫外線の中でもUBVのみが関与しているため、日サロの紫外線は95%がUVAのため、日サロでいくら紫外線を浴びても骨は丈夫にならない、またガラスはUVBをほとんどカットするため室内で日光を浴びても骨は丈夫になりません。

 

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早期治療が有効

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骨は骨梁などによる3次元の網目状のネットワーク・連結性で強度を保っている、一度骨粗鬆症が高度に進行した場合、連結性が失われます、その状態でビスフォスフォネート製剤で治療を開始しても、残った骨は太くなりますが一度消失したネットワークは回復せず、イビツナ骨形成が行われるため強度は元には戻らない、よってビスフォスフォネート製剤による治療は骨の連結性が保たれていて、骨粗鬆症が進行していない状態で開始するのが大切である。

【ドクターからのコメント】

骨粗鬆症の治療は早期の治療が治療結果を大きく作用します、高度に進行した骨粗鬆症のではビスフォスフォネート製剤では治療成績が落ち、早期の治療が重要。

 

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二次性骨粗鬆

二次性骨粗しょう症の原因としてステロイド剤の使用がある、3〜6ヶ月間のプレドニン20mg/day以上の内服で骨折の頻度が急増する。ステロイド治療者は必ず骨折予防のため骨粗しょう症の治療が必要です。 リウマチも二次性骨粗しょう症の大きな要因である、RAは正常の人に比べて2倍骨折しやすく、8倍のスピードで骨が弱くなる

【ドクターからのコメント】

プレドニン4錠、3ヶ月以上は骨粗鬆症の治療が必要です。

 

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ビスフォスフォネート製剤の副作用

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ビスフォスフォネートの大きな副作用として腐骨性顎骨壊死があります、頻度は10万に8人・・・雷に当たる頻度?らしい 顎骨壊死は難治性で治療に難渋するため、歯科の先生はビスフォスフォネート製剤を目の敵にし、「あんな薬、飲んだらあかん!」と言う先生も少なからずいるそうです。 その他の副作用として、大腿骨の真ん中あたりで両側の骨がポッキリ折れる非定型骨折があるそうです(本当にビスフォスフォネート製剤による副作用かはっきりしない部分がある、かなりの割合でビスフォスフォネート製剤の投与とは無関係で非定型骨折が起こっている。)、数カ月前に前駆症状が現れる。治療にはPTH製剤が有用である。

【ドクターからのコメント】

ビスフォスフォネートの重篤な副作用・骨壊死は1万人に0.8人の確率。

 

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PTH・副甲状腺ホルモン(テリパラチド)

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PTH・副甲状腺ホルモン、どちらかと言えば骨を溶かすホルモン、パルスで投与すると骨密度があら不思議増えて、骨が丈夫になる、商品名はフォルデオ、注射薬で治療は一生の内2年間(週一回皮下注射)まで、1ヶ月の薬価が約5万円と高額。

【ドクターからのコメント】

テリパラチドは高額で皮下注射になるため適応は限られます、上記の表からは既存椎体骨折数が2個以上、年齢75歳以上の例や、ステロイド性骨粗鬆症の例など、いわゆる重症例適応になります。

 

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治療薬の選択

年齢と椎体骨折の有無・程度で決定されます
圧迫骨折
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【ドクターからのコメント】

75歳以下で椎体骨折がなければ選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SM)、高齢で多数の椎体骨折があれば副甲状腺ホルモンがお勧め。椎体骨折が1個の場合はビスフォスフォネートが良い。あと月一回製剤もあり管理が楽です。

 

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2011骨粗鬆症ガイドライン

骨粗しょう症治療薬
表にあるようにA評価が多いのは週一回投与のビスフォスフォネート製剤で、閉経まもない患者さんは乳がん予防効果のあるSERM、重症患者は副甲状腺ホルモン薬が良い適応に思われます、カルシュウム剤はほとんど効きません。

 

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