はじめにcss
アトピー性皮膚炎はまず外用薬の治療からになります。症状がひどい場合は内服薬を併用します。
外用薬の使用量の目安・FTU(Finger-tip unit)
Finger-Tip Unit(FTU)とは、外用薬5mm口径の中部を人差し指の先端から次の関節まで押し出した量で0.5gに相当します。1FTUの手のひら2枚の広さに塗ります、それ以上伸ばすと薬の効果が落ちます。
FTUと塗布部位1
塗布部位と必要なFTU(軟膏の使用量)のイラストです。
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FTUと塗布部位2
症状が酷い時は1日に2回ステロイド含有外用薬を使用しましょう、改善すれば弱いステロイド外用薬か保湿剤を使用しましょう。
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小児のFTU
小児は年齢により体表面積が大きく異なるため、使用する軟膏の量が年齢によって異なります
保湿剤
ステロイド外用剤と異なり保湿剤は副作用がほぼありません、ガンガン使用してください、アトピー性皮膚炎の8割以上の患者さんで保湿が足りていません、理想は保湿剤を携帯して数時間毎に保湿するです。
保湿剤の種類
頻度は多くありませんが保湿剤のワセリンやヒルロイド製の使用で痒みが帰って悪化する場合が報告されています(保湿剤の添加物が原因)、セラミド、パーム油などが病院で処方される外用薬より良かったこともあります。
外用ステロイドの種類と強さ
外用ステロイド剤は5つのクラスに分かれていますが一般的によく使われているのは強い方の4種類でV群のWeakは種類も少なくほとんど使われていません。
ステロイドの外用薬の使い方
強いステロイドの使用は2週間を目安に
皮膚が真っ赤でガサガサ腫れて浸出液が出ている状態は火事に例えれば大きな炎が上がった火事の状態です、そのような状態ではバケツの水(弱いステロイド)では鎮火で来ません、強いステロイド(消防車)で短期集中に使用して消化します。火の勢いが無くなってからバケツの水で(弱いステロイド)で鎮火します。
要約するとパネルcss
- 症状が強い時は強いステロイドを短期集中で
- 紫外線治療も併用
- 強いステロイドは2週間以内に限定
- 体を冷やす漢方薬も使用します
外用ステロイドの副作用
外用剤は、皮膚から体内に2~2.5%しか吸収されず、数日間で排出されます、正しく使用すれば体内に蓄積され全身的な副作用を起こすことはまずありません。
- 皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)
- 毛細血管拡張(いわゆる“赤ら顔”)
- 色素沈着
- ニキビ、多毛など
- 皮膚の易感染性(あまりない)
- 副腎皮質機能の抑制
皮膚萎縮と毛細血管拡張はステロイド外用剤を漫然と使用すると起こります、大人の場合、3群(Strong)のステロイド外用剤(ボアラ、リンデロンV、フルコート等)を、1日にチューブ2本(10g)を12週間(3ヶ月)ぬり続けても、副腎皮質の機能は抑制されません。
外用ステロイドを減らす工夫
- 保湿剤の利用
- 紫外線治療の併用
- プロトピック軟膏の使用
- 漢方薬の内服
外用ステロイドの安全使用の目安
軟膏のチューブは5gか10gになります、5gは10FTUに相当します。範囲が広い場合は5gでは伸びないので混合軟膏をしようします。
外用ステロイドの安全使用の目安(混合薬)
軟膏は毎日塗るものです、星の原クリニックでは使い勝手を良くするために、保湿剤・抗ヒスタミン剤・ステロイド剤を適時、皮膚の症状に合わせて混ぜた状態で軟膏ツボにいれて処方しております。4種類の強さの混合薬で、それぞれ安全に使用できる上限値があります、以下の表を参考ください。
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プロトピック軟膏(タクロリムス)
腎皮質ステロイドとは全く異なる機序でTリンパ球を抑制します。顔面や首などに使用します。ステロイドが効かなかった皮疹に効いたり、皮膚の毛細血管拡張などの副作用が無いなどの利点がありますが。使用初期に灼熱感があったり、紫外線予防が必要、顔と首以外は吸収率があまり良くないなどの欠点もあります。
プロトピック軟膏の使用上の注意
- 乾燥、赤み、かゆみのみられる顔面・頸部に使用します。
- 1日1~2回塗ります。
- ジュクジュクした皮膚には使いません。
- かゆみや、ヒリヒリとした刺激感がみられることがありますが、数日で改善します。
- どうしても我慢できないときは、最初は1日1回(夜)塗るだけ
- 日光で刺激が強まる時は、夜1回塗って下さい。
- 赤み、かゆみが良くり、さらに皮膚をつまんで軟らかくなるくらいまで使用します。
- 週~月単位で使用してかまいません。
- 良くなった後はさらに2ヶ月くらい週1~2回使用すれば再発防止になります。
- 皮膚炎再発したらプロトピックを使用します。→再発時の第1選択剤です
- 【アトピー性皮膚炎】目次
- アトピー性皮膚炎(入口)
- スキンケア
- ダニ対策
- 外用薬と使い方
- 内服薬
- 漢方薬
- 紫外線治療・VTRAC