このページは星の原クリニック 院長 林俊(医学博士)林俊が記載したものです。
- 必ず再診が必要です
- 【肛門周囲】【陰部】の病変は【手術台】が対応していないため、当医院では治療できません
【だんだん大きくなるシコリ、臭い汁がでるシコリがある。】
上記のような症状をお持ちの方は、粉瘤・脂肪腫の可能性が考えられます。お困りの方は福岡市早良区の形成外科・皮膚科 星の原クリニックまで一度ご相談ください、手術の後の傷が小さくなる『くり抜き方』などで治療しています。
はじめに(ご来院前に必ずお読みください)
当院は入院設備がございません、またCTなど大きな検査機材もございません、マンパワーも限りがあります、総合的に判断して当院での手術治療をお引き受け出来ない場合がございます。以下の様なケースは当院での手術治療はお引き受けしておりません、総合病院等の紹介や他の医療機関での治療をお勧め致しております。
- 【診察・検査】後に安全に施術出来ないと判断した場合
- 【手術の傷跡】が患者さんのご希望通りにならないと判断した場合
- 【手術後の経過】が患者さんのご希望通りになりない場合
- 手術後の【通院が不可能】な方
- 手術や治療後の【経過やリスク等の説明】にご理解・ご納得が不可能な場合
- 【精密検査】が必要と判断した場合
- 重度の心疾患・脳疾患・精神疾患などの【重度の基礎疾患】がある場合
- 手術中に安静が保てない場合
ご理解の程、ご協力の程よろしくお願いいたします。
- 赤く腫れている病変
- 患部の場所が深い
- 小さい切開から出せない硬い病巣
- 腫瘍と周囲の癒着が強い場合
- 血が止まりにくい方
- 心臓・肝臓・脳に重度の病気がある方
粉瘤とは
表皮や毛包の組織が陥入して、垢・汗等の老廃物が貯まる病気です、多くの場合、中心に黒色の開口部があり、悪臭を伴う粥状の物質を排出します。治療で大切なのは被膜も取り除く事です、被膜が残ると再発します、以下の様ないろいろな呼び方があります。
- 粉瘤
- アテローマ
- 表皮嚢腫
- 類表皮嚢胞
各種リンク(詳細)
超音波検査
下の写真は一見典型的な粉瘤ですが、エコー検査を実施した所、【雪だるま様】の粉瘤でした、エコー検査で前もって深い部位にも粉瘤があることがわかっていたので、1回の手術で取りきりました。
術前採血
以下の方は術前に採血が必要となります
- 腫瘍の大きさが5cm以上の方
- 糖尿病がある方
- 中程度以上の肝臓の病気がある方
治療方法について
一般的な『切開法』と『くり抜き法』・『小切開法』の違いについてご案内です。
一般的な切開法
一般的な切開摘法では粉瘤の中身を出さずに摘出するため、切開線が長くなります、また縫合時の見た目が真っ直ぐになるよう切開線が腫瘍より長めにデザインされます。
くり抜き法
くり抜き法では 2〜4mmの穴を開けて、まず粉瘤の内容物を排出し、粉瘤自体を小さくしてから被膜を摘出するため傷の長さが圧倒的に短くなります、傷の縫合も『巾着縫い』と言う中央に縫え寄せる特殊な方法を行います、『皮膚の厚い部位の粉瘤』、『大きい粉瘤』はくり抜き法ではきれい摘出できないことが多く、下の『小切開法』を行います。
小切開法
『皮膚の厚い部位の粉瘤』『大きい粉瘤』はくり抜き法では取れきれない、傷が目立つ等により、『小切開法』を行います、粉瘤の穴はメスでくり抜き、術後の傷が目立たない『ギザギザ』のデザインで小さめに切開し、粉瘤の内容物を排出し小さくした後、丁寧に被膜を剥離して摘出します。
診察のWEBご予約
【診察のWEB予約】が可能です、【メニュー】から《30分》粉瘤等の皮下腫瘍の【診察】をお選びください。なお手術の予約は診察後になります、ご了承ください。(当日に手術室に空きがある場合、当日に手術可能になる場合がございます)
動画解説
くり抜き法について
当院で行っている粉瘤摘出手術について解説をしています。
粉瘤のくり抜き法
実際のくりぬき法の手術風景の動画です
時間 | 解説内容 |
0:10〜 | はじめに |
0:32〜 | くり抜き手術とは |
1:20〜 | 手術までの流れ |
1:47〜 | くり抜き法ができない方 |
2:16〜 | くり抜き法の手術の流れ(炎症がない方) |
2:46〜 | くり抜き法の手術の流れ(炎症が強い方) |
3:20〜 | 術後の経過 |
3:58〜 | 再診について |
4:30〜 | その他注意事項 |
4:55〜 | 症例のご紹介 |
5:30〜 | 施術料金について |
脂肪腫の小切開法
当院での実際の小切開方による脂肪腫の施術動画をご覧ください。(腫瘍の性状によっては小切開方では実施できない場合があります)
- 粉瘤・脂肪種の手術は基本的には診察後の予約制となっております。
- 手術室に空きがある時は診察当日に手術可能です。
- 7〜14日後に抜糸が必要です。
- 肛門周囲のしこりは肛門周囲膿瘍、痔瘻の可能性があるため肛門科の受診をお勧めいたします、当院では治療を行なっておりません。
- 術後の血腫や感染症の有無の確認と抜糸の必要があり手術日以外に1〜2回の受診が必要となることがあります。
症例の写真
背中の脂肪腫(70mm)
大きさが7cmの脂肪種です、古典的な切開線は灰色の線で切開線は腫瘍と同等または大きくなります、脂肪種の場合は大きさによって4〜8mmの円形〜楕円形の切開線になります、今回は脂肪種が大きかったので中央の円形の大きさ8mmの孔を開けました。
脂肪種の症例(術中写真)
脂肪種は塊が大きいのでそのままでは小さな孔から摘出することが不可能です、鉗子などでほぐしながら引きずり出します。
脂肪種の症例(縫合線)
腫瘍の大きさに較べてかなり小さい切開線となりました。
右小鼻の粉瘤の症例
右の小鼻の下の粉瘤です、大きさは8mm程度です、傷が目立つ部位ですので、今回は1.5mmの穴を炭酸ガスレーザーで開けました。
術前写真
手術中の写真
傷跡(術後1週間)
術後1週間に抜糸します、赤みが1〜2ヶ月ですが、最終的にはほとんど分からなくなります。
女子小学生の大腿外側の粉瘤
小学生の女の子の太ももの粉瘤です、被膜がしっかりしていて綺麗に取れました、切開線は2〜3mmでした。
背中の15mm大の粉瘤
背中の15mm大の粉瘤です、浅い粉瘤ですので炭酸ガスレーザーを使用しました。
摘出後
2mmの穴を炭酸ガスレーザーで開けました、内容物を排出後に被膜を摘出しました、切開線の長さは本体の大きさの1/7でした。
摘出した被膜
摘出した被膜です、中身が抜けてしぼんで写真ではよく判りませんが被膜の表面はツルッとしています。
背中の40mm大の粉瘤
背中の4cmの粉瘤です、4mmのトレパンで皮膚切開しました。
術前の写真
被膜の剥離
被膜を引きずり出しています。
被膜を摘出
被膜を摘出しました、一部筋膜と癒着していました。
縫合
被膜を摘出後、傷を縫合します、傷の長さは6〜7 mm程度です(丸を直線に縫合すると傷は長くなるため)。
背中の20mm大の粉瘤
背中の2cm大の粉瘤です。4mmのトレパンを使用しました。
鼻の下の20mm大の粉瘤
鼻の下の2cmの粉瘤です、傷が目立つ部位ですので頑張って小さな傷(2mm)で摘出しました。
施術料金(3割負担時)
- 部位と大きさによって施術料金が異なります
- 粉瘤の被膜に皮膚癌が稀に発生します、経過の長い粉瘤は【病理検査】を実施いたします
- 病理検査;3割負担で3,000円
露出部 | |
〜2cm | ¥4,980 |
2〜4cm | ¥11,010 |
4cm〜 | ¥13,080 |
非露出部 | |
〜3cm | ¥3,840 |
3〜6cm | ¥9,690 |
6〜12cm | ¥12,480 |
12cm〜 | ¥24,960 |
手術までの流れ
①ご予約
手術は原則予約制となっております。 初診の方のインターネット診察予約を承っております。まずはご予約をお願い致します。
②診察
医師が患部を診察し、診断を行います。 できものが粉瘤・脂肪種・その他なのか判断致します。
③エコー検査
出来物がどの程度の深さ・大きさ・形なのかエコーを用いて検査を行います。
④ご予約(後日施術)
当日の空きがある場合は診察後に当日の施術が可能となりますが、空いていない場合は後日、手術のご予約をお取りいただいております。
⑤手術
腫瘍の大きさによりますが、おおよそ15~45分程度、大きいものですと60分程度の手術となります。
⑥経過観察・抜糸
傷の状態・血腫の有無の確認のため翌日か翌々日の再診、抜糸は7~14日後になります。
よくある質問
Q:当日すぐに手術できますか?
A:当日枠があればその場で手術が可能ですが、空きが無い場合は後日手術のご予約をお取りいただいております。
Q:手術時間はどれくらいかかりますか?
A:大きさによって前後しますが、15~30分程度かかります。
Q:手術は痛いですか?
A:事前に局所麻酔を行いますので、手術中の痛みはほとんどありません。
Q:なるべくくりぬき法で手術したいのですが・・
A:手術前に皮膚エコーを用いて検査をしたのち手術方式を決定しております。 以下に当てはまる方は、安全の為くりぬき法で治療できません。
- 患部が細菌感染によって腫れている
- 患部の場所が深い
- 小さい切開から出せない硬い病巣
- 腫瘍と周囲の癒着が強い場合
- 血が止まりにくい方