似顔絵 眼の下のタルミ・ふくらみは下まぶたの筋肉(眼輪筋)と脂肪を包む膜(眼窩隔膜)の緩むことにより目の周囲の脂肪(眼窩脂肪)が突出することによって起こります、多くの場合は加齢性ですが稀に若年で発症する方もございます、皮膚のタルミが強くなければ皮膚を切らずに瞼のうらから脂肪を取ることで改善します。

眼の下のふくらみの原因

目の周り筋肉(眼輪筋)と脂肪を包む膜(眼窩隔膜)が緩んで、脂肪が前面に突出します、左の図の若い人の場合、眼窩隔膜はフラットで眼輪筋はしっかりしており、眼輪筋が分厚くなっている部位が涙袋になります。 眼の下のタルミ

  1. 眼輪筋と眼窩隔膜の弛緩が原因
  2. 下瞼の奥にある脂肪が前方に突出します
  3. 多くは加齢性ですが、稀に20代で発症する方もいます。
  4. 加齢による、頬の組織が下に移動したため

眼の下の膨らみ・タルミの症状

眼の下の膨らみが原因でふくらみの下にハの字状の影が出来ます、シミと違い膨らみによる影はメイクで誤魔化すことが出来ません。若い人に出来る涙袋も眼の下の膨らみですが部位と幅が違います。

下瞼タルミ

下瞼のタルミの治療法

治療法は突出している【脂肪の量】や【皮膚のタルミ具合】によって異なります。

タルミの程度と治療法

  1. 軽度〜中程度 ▷ ヒアルロン酸または瞼の裏からの脂肪の取り
  2. 中程度:瞼の裏からの脂肪の取り
  3. 重度:瞼の表からの切開、脂肪の移動と皮膚切除(ハムラー法)
現在、星の原クリニックで行っているのは瞼のからの脂肪取りです、ハムラー法は手術時間が長くなるため現在の診療体制では行っていません。

下瞼の脂肪取りの治療法

瞼の裏からの脂肪取り(下瞼脱脂)

下瞼の裏側から脂肪を取ります、傷が皮膚の表面にできず、眼輪筋も切開しないので腫れと内出血が少いです。

下瞼脱脂 手術アプローチ

術後の腫れについって
手術中の出血のしやすさによって、術後の腫れと内出血の程度は大きく違ってきます、それでもハムラー法などの皮膚・眼輪筋切除を行った場合に比べて圧倒的に少なく、人によってはほとんど目立ちません。

下瞼の脂肪の位置

下瞼の脂肪は一塊でなく、3つの部屋に別れていています。

  1. それぞれ別々にアプローチする必要があります
  2. 瞼の裏の切開ラインは5〜8mmでほぼ中央にあります、図のように内側と外側の脂肪は遠くて取りにくいです
  3. 特に内側は深い場合が多く取りにくいことが多いです
  4. 内側には涙管があるので無理をすると涙管損傷のリスクと術後出血のリスクがあります

下まぶた脂肪除去術の限界

タルミの多い方のでは瞼の裏からの脂肪取り術では限界があります。タルミの少ない30〜40歳代とタルミの多い60〜70歳代とは仕上がりが異なります。

眼の下のハの字の影は脂肪の突出と頬肉が下に落ちることによって生じます。

タルミが少ない30〜40歳代

頬肉が下へのズレが少ない30〜40歳代では脂肪だけを取るだけで下瞼の溝(眼頬溝)が浅くなり、段差がなくなることによって、眼の下のクマ・影が目立たなくなります。

タルミが多い60〜70歳代 タルミの多い60〜70歳代では脂肪を取るだけでは限界があります、タルミの強い方は❶眼輪筋の弛緩 ❷眼窩隔膜の弛緩❸頬の組織の下垂❹眼の周囲の皮膚の弛緩、以上4つの原因が関わっているため、脂肪を取っただけで段差が残ったり、縮緬シワが目立つようになります、そのような方が一般的にはハムラー法を行います。

似顔絵 下瞼の手術は簡単?
昨今、瞼の裏からの脂肪取りが簡単手軽に出来ると風潮がありますが、林が努めていた美容外科時代も含めて、上瞼の手術より下瞼の手術の方が遥かに難しいです、下瞼の手術の方が術野が狭く、細かい操作が必要です。

施術代金

  • 処置代込で片側;88,000円(税込み)になります。

エルマンDual EMC

形成外科用の手術器具です、繊細な操作ができます、切開と止血が同時に出来る設定があり、この機材を使用することで安全に早く手術することが可能です

サージトロン エルマン

手術出来ない方

以下の方は残念ながら、術後の合併症のリスクがあるため手術が出来ません。

  1. 血圧が160以上ある方
  2. 重度の心疾患がある方
  3. 重度の肝疾患があるかた
  4. 抗血小板薬や抗凝固剤を内服の方
  5. 糖尿病でHbA1cが7.0以上の方

下眼瞼結膜側脂肪除去術の術後合併症

手術後に白目(結膜)部分がむくむことがあります。これは一時的な症状であることが多いですが、57.1%の頻度で発生するとの報告があります。

不衛生な環境での手術や術後管理により、感染症のリスクがあります

まれではありますが(3.6%程度)、眼窩内に炎症性の腫瘤が形成される可能性があります

非常にまれですが(3.6%程度)、術後の出血による血腫が視神経を圧迫することによって発生します。もっとも危惧する合併症です、そのためにしっかりとした止血操作、血圧の管理、無理な深い部位の操作をしないなどを行います。

縫合糸の露出などにより、角膜にびらんが生じる可能性があります(3.6%程度)、いまは術後は縫合しないので頻度は高くありません。

下眼瞼結膜側脂肪除去術の注意すべき最大の合併症です、広範囲に血腫が広がると視神経を圧迫し視神経症になるリスクがあります。術後出血を防ぐために、しっかりとした止血、丁寧な操作、無理な深い部位の操作をしないなどがあります。当院では形成外科の手術機材ellman Dual EMCを使用して、丁寧な止血操作が可能です。

涙の排出経路である涙小管を損傷するリスクがあります(3.6%程度)、無理な操作や広い切開をしないことで予防できます。

眼球運動に関与する筋肉や神経への損傷により、一時的または永続的な複視が生じる可能性があります。。丁寧な操作と、深い部位を操作をしないことで予防できます。

切開部位の結膜に瘢痕が形成され、違和感や充血の原因となることがあります。

涙液の分泌や排出に影響を与え、ドライアイの症状が現れる可能性があります

  1. 涙液層の不安定化:
    脂肪除去により、まぶたが眼球にフィットしにくくなり、涙液層が不安定になることがあります
  2. 涙液の蒸発亢進:
    下瞼の形状変化により、涙液の蒸発が促進される可能性があります
  3. マイボーム腺への影響:
    手術操作によりマイボーム腺の機能が低下し、涙液の油層が不十分になる可能性があります

手術部位で感覚異常や麻痺が起こることがあります。これは、神経が損傷した場合に起こりますが、通常は一時的なものです。

下瞼の脂肪を取ることで、皮膚が縮みます、その結果小じわが目立つようになります。小じわ悪化に対する対応さくとして

  • シワ取り外用クリーム
  • レーザー治療
  • 下瞼の皮膚切除等があります

 非常に稀ではありますが、眼周囲の複雑な操作が視力に影響を及ぼす場合があります、ほとんどは自然に治ります。

手術後のケア

目元の冷却 下瞼裏側脂肪取り手術後の冷却は、腫れを抑えるために非常に重要です。手術直後から数日間は、氷嚢や冷却パックを使用して目元を冷やすことが推奨されます。これにより、術後の腫れや浮腫みのピークを軽減し、回復を早めることができます。特に、術後1〜2日目は腫れが最も強くなるため、冷却を徹底することが効果的です。冷却は、血流を抑制し、炎症を軽減する役割も果たします。
清潔の保持 手術後の清潔保持は、瞼の裏からの脱脂術の場合は、傷が表面にはありませんが、感染を防ぐための基本的なケアです。手術から数日間は、顔を洗う際は優しく洗ってください。
激しい運動を避けます 術後1週間は、激しい運動を控えましょう。運動による血流の増加は、腫れや内出血を悪化させる可能性があるため、特に注意が必要です。軽い散歩などは問題ありませんが、ジョギングやジムでのトレーニングは控えるべきです。この期間は、体を休め、回復に専念することが重要です。
コンタクトレンズの使用を控えます 手術後3週間は、コンタクトレンズの使用を控えます。目元の敏感な状態を考慮し、特に術後の腫れや炎症が収まるまで、眼鏡を使用することが推奨されます。コンタクトレンズの装着は、目に直接触れるため、感染のリスクを高める可能性があります。

下瞼の脂肪取りのQ&A

手術は局所麻酔で行われます。結膜を通じて脂肪を取り除きます、手術自体は片眼、約30分から1時間程度で終了します。手術後30~60分院内で休んでいただきます。

回復期間は個人差がありますが、ほとんど腫れない方もいらっしゃいますが、手術中のよく血が出る方は止血操作が多くなり、術後の腫れが出やすいです。一般的には1週間程度で日常生活に戻ることが可能です。ただし、腫れや内出血が見られることがありますので、完全な回復には数週間かかることがあります。当院では手術前後に腫れ防止の内服薬を飲んでいただきます。

経結膜脱脂術は、皮膚のタルミが少ないかたで、目の下の膨らみがある方のクマや影の改善したい方に適しています。皮膚のタルミが多い方はハムラー法などが適しています。

ページ内に詳細が記載されています、手術後は、冷却パックを使用して腫れを抑えることが推奨されます。また、医師から指示された通りに薬を服用し、定期的な診察を受けることが大切です。激しい運動やサウナなどは避けるようにしましょう。