眼瞼下垂はトレーニングで改善するか?

医学的根拠に基づく正しい知識をお伝えします

「眼瞼下垂を自力で治したい」「手術は怖いからトレーニングで何とかならないか」 そう思ってこのページに辿り着いた方も多いのではないでしょうか。 巷には多くの情報が溢れていますが、本当に効果があるのでしょうか? 眼瞼下垂の 詳細はコチラをご覧ください。

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この記事でわかること
  1. なぜトレーニングでは眼瞼下垂が改善しないのか、その医学的根拠
  2. 上瞼が開く仕組み
  3. 眼瞼下垂の本当の原因と正しい治療法
  4. 日常生活でできる予防法
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眼の開く仕組み

瞼を開くには、①脳 ➡ ②動眼神経 ➡ ③眼瞼拳筋 ➡ ④挙筋腱膜とシグナルが伝達されます、挙筋腱膜は瞼にある軟骨(瞼板)に付着しており、瞼を上に引き上げます。 眼瞼下垂という病気は、この4つのどれかが機能しない場合に発症します。

1

中枢神経

中枢神経である大脳皮質 ▶ 中脳 ▶ 脳幹から眼を開ける司令を出します。

2

動眼神経

脳の司令が末梢神経の動眼神経に伝わり、動眼神経が眼筋挙筋に眼をかけるよう信号を送ります、重症筋無力症の眼瞼型でではここがうまくいきません。また脳腫瘍や脳出血では動眼神経自体が損傷を受けます。

3

眼瞼挙筋

この筋肉が瞼を上げる主要な筋肉です、トレーニンすると言えばこの筋肉をトレーニンすることになるのでしょうが、病気の種類によってはこの筋肉がほぼない、またはほとんど脂肪に変化してしまっていることが多く、トレーニンでどうこうなる問題ではありません。

4

挙筋腱膜

筋肉からの力を瞼板に伝える最後の部分です、ここがゴムのように伸びることがあります、ここが薄く伸びてしますと、いくら上の眼瞼挙筋に力があっても瞼板に力が伝わらないので眼が開きません、ハードコンタクトレンズの長期装着ではこの様なことがおこります。

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上瞼の構造と眼を開く筋肉達

眼を開く筋肉・腱膜は以下の3つがあります、それぞれ図説します。

上瞼の構造

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上瞼を上げる筋肉達

  1. 眼瞼挙筋(随意筋)
  2. 挙筋腱膜(腱膜)
  3. ミュラー筋(平滑筋)
ミュラー筋

眼瞼挙筋の下にある筋肉は【ミュラー筋】と言い、交感神経が支配しており、胃・腸・気管支などと同じで自分の意志では制御できません。即ち鍛えることはできません。

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眼瞼下垂で多く見られる状態

多くの眼瞼下垂の患者さんを診察して、よく見る眼瞼下垂の原因として以下があります、挙筋関係では①②③をよく見かけます。

  1. 挙筋腱膜が伸びる
  2. 挙筋腱膜の癒着
  3. 眼瞼挙筋が弱い・ない
  4. 上瞼のタルミ
  5. 二重瞼が浅くなる

①挙筋腱膜が伸びる

ハードコンタクトレンズの長期間の装着は、コンタクトレンズを外す時に上瞼を横に引っ張ります、長期間この行為を行うと、挙筋腱膜が伸びて瞼が上がらなくなります。
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②挙筋腱膜の癒着

挙筋腱膜/眼瞼挙筋は本来スムーズに動くのですが、挙筋腱膜が周囲と癒着(くっつく)と挙筋腱膜/眼瞼挙筋が動くことが出来ず瞼が動きません。多くの場合なぜ癒着するかわかっていません。
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③挙筋腱膜が薄い・ない

原因が良くわかっていないのですが挙筋腱膜/眼瞼挙筋が薄々になって脂肪に変わっている(脂肪変性)ことがあります、後天性と先天性の場合があります。
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トレーニングについて

結論
結果から言いますと眼瞼下垂はトレーニングでは改善しません 多くの患者様からご質問をいただきますが、医学的観点から申し上げると、 一度発症した眼瞼下垂がトレーニングやマッサージで改善することはありません。

筋トレ
眼瞼下垂は【ゴムのような筋膜が伸びている】【癒着している】【筋肉がない、脂肪になっている】が原因ので筋トレやマッサージしたり、意図的に過剰に動かしたりしても、緩んだり・断絶した状態は戻りません。
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眼瞼下垂の予防方法

眼を擦る

老化によって筋膜が緩んでくる老人性の眼瞼下垂については予防が難しいですが、まぶたに負担がかかる生活習慣を避けることで予防効果があるとは考えられます。 当院でも、下記の様な生活習慣が原因で眼瞼下垂の手術を行う方が多くいらっしゃっています。

コンタクトレンズの見直し

ハードコンタクトレンズの長期装着は眼瞼下垂の主要な原因の一つです、可能であればソフトコンタクトレンズへの変更を検討しましょう。

眼を擦らない

花粉症などで長期間慢性的に眼をこすることも眼瞼下垂の原因になりまs,かゆみがある場合は、点眼薬、眼軟膏などで対処しましょう。

正しいクレンジング

メイク落としの際に激しく眼を擦る行為も眼瞼下垂の誘引となります、ポイントメイクリムーバーを使い、優しくなでるように落としましょう。
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まとめ

眼瞼下垂はトレーニングでは改善しません
自己流のケアは危険です
正しい知識を持ち、専門医に相談することが大切です

少しでも気になる症状があれば、
お気軽に当院にご相談ください

あなたの長年の悩みが解決するかもしれません。

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