SEL/DELの脱毛

SLE/DLEとは

全身性エリテマトーデス（SLE）と円板状エリテマトーデス（DLE）の略称で、どちらも自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは、免疫システムが本来は異物から体を守るはずが、自分の体の組織を攻撃してしまう病気のことです。

SLEでは、皮膚だけでなく、関節、筋肉、内臓など、全身のさまざまな場所に炎症が起こります。炎症が起こると、その場所に痛み、腫れ、赤み、熱などの症状が現れます。

特徴	SLE（全身性エリテマトーデス）	DLE（円板状エリテマトーデス）
影響範囲	全身に影響を及ぼす可能性あり	主に皮膚に影響を及ぼす
主な症状	疲労感関節痛発熱蝶形紅斑その他全身の臓器障害	円板状の発疹皮膚の赤みかさぶた脱毛など
脱毛のタイプ	非瘢痕性脱毛症が多い（髪が再び生えてくる可能性あり）	瘢痕性脱毛症が多い（髪が再び生えてくるのが難しい場合がある）
全身症状	多い	少ない、もしくは限定的
重症度	全身の複数の臓器に影響し、深刻な合併症を引き起こす可能性がある	主に皮膚に限定され、内臓への影響は少ない

頭皮の炎症が原因で起こります。頭皮に炎症が起こると、毛根が傷つき、髪の毛が抜け落ちてしまいます。脱毛症には、大きく分けて2つのタイプがあります。

頭皮の炎症がひどい場合、毛根が完全に破壊されてしまい、その部分には髪の毛が生えてこなくなります。これを瘢痕性脱毛症といいます。DLEでは瘢痕性脱毛症が多く見られます。脱毛のパターンは、病気の種類や程度によって異なります。

毛根が完全に破壊されていない場合は、炎症が治まれば、再び髪の毛が生えてくる可能性があります、これを非瘢痕性脱毛症といいます。SLEでは非瘢痕性脱毛症が多く見られます。

まずは膠原病専門の治療

SLE/DLEの脱毛症の治療は、まず、病気そのものの活動性を抑えることが重要です。病気の活動性が抑えられれば、頭皮の炎症も治まり、脱毛症も改善する可能性があります。

薬物療法としては、ステロイドや免疫抑制剤などが用いられます。また、頭皮の炎症を抑えるために、ステロイドの外用薬が用いられることもあります。瘢痕性脱毛症の場合は、髪の毛が再び生えてくることは難しいため、ウィッグ（かつら）や帽子などで、脱毛部分を隠すことも検討されます。

基礎疾患であるSLE/DLEの治療を最優先します。専門医による適切な診断と治療計画が重要です。

ステロイドや免疫抑制剤などを用いて、免疫系の過剰反応を抑制します。疾患の種類や重症度に応じた投薬が行われます。

頭皮の炎症を直接抑えるために、ステロイドの外用薬が使用されることがあります。局所の炎症を軽減し、脱毛の進行を遅らせます。

特にDLEによる瘢痕性脱毛症の場合、髪の毛が再び生えてくることは難しいため、ウィッグ（かつら）や帽子などの対策も検討します。