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禿髪性毛包炎とは?

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禿髪性毛包炎(とくはつせいもうほうえん)は、毛穴(毛包)に炎症が起き、最終的に毛が抜けてしまう病気です。炎症が繰り返されることで、毛穴が傷つき、徐々に髪の毛が作られなくなります。その結果、円形や楕円形の脱毛斑ができたり、頭皮全体が薄くなったりします。

 

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なぜ起こるの?

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はっきりとした原因はまだ完全にはわかっていませんが、免疫システムの異常が関与していると考えられています。通常、私たちの体は、細菌やウイルスなどの異物から身を守るために免疫システムを持っています。しかし、禿髪性毛包炎では、この免疫システムが誤って自分の毛包を攻撃してしまうのです。

 

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どんな症状が出るの?

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毛穴に一致した赤みや腫れ

炎症が起きているため、毛穴が赤く腫れたり、膿が出たりすることがあります。

かゆみや痛み

炎症に伴って、かゆみや痛みを感じることもあります。

脱毛

炎症が繰り返されることで、毛穴がダメージを受け、髪の毛が抜けてしまいます。脱毛斑は円形や楕円形になることが多いですが、頭皮全体が薄くなることもあります。

瘢痕(はんこん)

炎症が治まった後、皮膚が硬くなったり、盛り上がったりする瘢痕が残ることがあります。この瘢痕部分からは、髪の毛が生えてこなくなります。 どんな人がなりやすいの?

 

男性に多い傾向があります。 若い人から高齢者まで、幅広い年齢層で見られます。 アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持っている人は、リスクが高い可能性があります。 ストレスや過労が、発症や悪化のきっかけになることもあります。

 

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どうやって診断するの?

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  1. 脱毛斑の部位、大きさ、数、形状、炎症の程度、膿疱、痂皮、鱗屑、瘢痕の有無、束状脱毛の有無など
  2. 3細菌培養検査、真菌検査
  3. 血液検査(自己抗体など)
  4. 皮膚生検
特徴 禿髪性毛包炎 DLE LPP
好発年齢 若年~中年男性 20-40歳代女性 40-60歳代女性
主病変 毛包一致性の膿疱、紅斑、痂皮 境界明瞭な萎縮性紅斑、角栓 毛包一致性の紅斑、角化性丘疹
束状脱毛 見られることが多い 見られない 見られない
毛包一致性の角栓 よく見られる 時に見られる
周辺部の活動性 膿疱 炎症性隆起 軽度の炎症
DLEの全身症状 無いことがほとんど 時にあり 無い
扁平苔癬の他部位病変 無いことがほとんど 無いことがほとんど しばしば見られる
自覚症状 痒み、痛み 痒み、灼熱感 強い痒み
組織所見 (要約) 好中球主体の毛包炎 基底層の液状変性、リンパ球浸潤 毛包周囲の帯状リンパ球浸潤
免疫蛍光染色 特徴的な所見なし Lupus band test 陽性 フィブリノーゲン沈着

 

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どうやって治療するの?

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禿髪性毛包炎の治療は、炎症を抑え、脱毛を防ぐことを目的として行われます。

  1. ステロイド外用薬: 炎症を抑える効果のある塗り薬です。
  2. ステロイド局所注射: 重症の場合、脱毛斑に直接ステロイドを注射することがあります。
  3. 免疫抑制剤の内服: ステロイド外用薬や局所注射で効果が不十分な場合、免疫システムの働きを抑える飲み薬が使われることもあります。
  4. 液体窒素療法: 液体窒素を用いて、炎症を抑えたり、瘢痕を改善したりする方法です。

 

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治るの?

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禿髪性毛包炎は、完治が難しい病気です。しかし、適切な治療を行うことで、炎症をコントロールし、脱毛の進行を抑えることは可能です。また、治療によって髪の毛が再び生えてくることも期待できます。

 

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日常生活で気をつけることは?

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頭皮を清潔に保つ: シャンプーや洗髪剤を使って、頭皮を優しく洗いましょう。ただし、洗いすぎは逆効果になることもあるので注意が必要です。 ストレスを溜めない: ストレスは症状を悪化させる原因となるため、適度な休息やリラックスを心がけましょう。 バランスの良い食事: 健康な髪の毛を育てるためには、栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。

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