2022年8月より中止いていた授乳経験がない患者さんの【重度陥没乳頭】の保険診療での【乳頭形成術】は再審査請求の結果、当院の主張が認めら再開できることとなりました、ご理解していただいた審査医の方にはこの場をもってお礼を申し上げます。
乳首に引っ込み、授乳できない、汚れが貯まる。
上記のような症状をお持ちの方は、【陥没乳頭】の可能性が考えられます。不安に思った方は福岡市早良区の星の原クリニックまで一度ご相談ください、保険診療で治療可能です。
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」
陥没乳頭とは
【陥没乳頭】とは乳頭の高さが低い、乳頭が乳房の中に引き込まれる状態のことを言います、授乳がうまくできず、また非衛生的になってしまします。
陥没乳頭の頻度
陥没乳頭は女性の10〜20%で発生すると言われています、以下のベージで詳しく解説致します。
陥没乳頭の症状
- 乳首が引っ込むので授乳が上手にできません。
- 乳頭部に細菌がたまり非衛生的です。
陥没乳頭の分類
- 刺激や指などで引っ張ると引き出せるのを仮性陥没乳頭と言います
- 引っ張り出せないのを真性陥没乳頭と言います。
- 指で引っ張り出せる軽度の陥没乳頭は市販の吸引器など改善できます。
詳細と原因は以下のサイトにどうぞ
治療
当院では乳管を切らない、難波変法での乳頭形成術を行います 乳頭にZ状の切開を3箇所加えます、出来上がりの切開線は乳輪のシワや乳頭の段差に隠れてほとんど分からなくなります。
- 乳管を切らないので授乳に影響がない。
- 傷が目立たない。
- 手術時間が短い。
- 術後の感染症が少ない。
手術略図
乳輪の周りの結合組織を剥離し、糸で上方向へ持ち牽引して、その位置で周囲の皮下組織に固定します。
術後の傷
術後の傷は皮膚のシワに隠れて目立ちません。
手術の合併症
全ての手術にはリスクが伴います、頻度は多くありませんが陥没乳頭の手術にも合併症がおこる可能性があります、極めて稀ですが【乳頭壊死】は重大な合併症で注意が必要です。
- 陥没乳頭の再発;3割前後の確率で発生します。
- 創部感染症;頻度は多くありません、稀に数カ月後に発生することもあります。
- 乳頭壊死;血流不全によって発生します、私自身経験はございませんが、重大な合併症です。
陥没乳頭・手術のながれ
当日
- 腫れ抑制・痛み止めの薬を術前30分に内服
- 手術室にご案内;消毒
- 局所麻酔(前もって麻酔クリームを塗ることも可能です)
- 手術時間(片側約40分)
- 30〜60分間院内で安静、出血や乳頭の血流を確認
- 御帰宅
翌日〜
- 消毒、術後経過観察(出血の有無と皮膚の血流の状態の確認をします)
3日目
- 創部のシャワーが可能となります。
7日目
- 再診:傷の状態を確認します
14日目
- 抜糸
- 陥没乳頭の程度が酷い場合は術後に乳頭を牽引する糸を2週間留置する事があります。
- ブラジャー圧迫による再発防止のため、乳頭保護ホルダーを2ヶ月間装着して頂きます。
- 小さなキズが乳輪内にできますが数ヶ月で目立たなくなります。
施術料金(保険診療)
陥没乳頭の方で授乳に支障がある場合は健康保険の適応がございます。手術代金(健康保険適応)は3割負担です、授乳が可能な軽度の【陥没乳頭】は保険診療の適応がございません、ご了承ください。
- 片側の場合は22,050円
- 両側の場合は44,100円になります。
施術料金(自由診療)
出産年齢を過ぎている方は大変申し訳ございませんが自由診療の料金となります。
- 片側の場合は132,000円(税込)
- 両側の場合は220,000円(税込)になります。