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星の原クリニックではサージトロン、ヤグレーザー、色素レーザー、トリクロロ酢酸などで治療を行なっていましたが、29年7月より水疱形成剤による尋常性疣贅の治療を開始致します。水泡形成剤による尋常性疣贅の治療は当面は通院可能な方に限定させていただきます。

特徴

皮膚の表皮に作用する3種類の混合からなる水疱形成剤は地中海地方(スペイン・エジプト・トルコ)等ではよく行われておりますが、薬剤の入手が困難なため、世界的に見ればマイナーな治療法です、最大の利点は痛みが少なく治療成績が良い事です。

  • 痛みが少なく、治療の際に麻酔が必要ない。
  • 治療成績がよい(浅いイボは1~2回で完治することが多い)。
  • 深いイボは複数回の治療が必要になります
  • Vbeam(色素レーザー)との併用をすることがあります。
  • 傷跡が基本的に残らない。
  • 2014年の段階で749本の水疱形成剤による疣贅治療の論文が発表されています。

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作用機序

  • 水疱形成剤は表皮内に棘融解を引き起こし、イボの下に水泡を形成します。
  • 水疱形成によりイボを栄養血管から遮断すると推測されています。
  • 水疱形成剤は細胞傷害性の薬品で表皮基底層の有糸分裂を阻害作用が考えられています、海外では尖圭コンジローマの治療に使用される。

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治療経過

  • 薬を塗ると数秒で白くなり、痛みはありません。
  • 治療部位は透明な無孔性のテープで密閉します。
  • 4時間後〜、ヒリヒリした不快感が出始めます。
  • 24〜48時間後;水疱形成が始まります、水泡が出来始めると熱傷の様なジンジンした痛みが出始めます、痛みや赤みが水泡の近くに留まっていればいれば問題ありません。
  • 痛みは1〜4日でほとんどなくなります。
  • 2〜3日後;再診、イボと水泡を除去します。
  • 7日後;皮膚が乾きます、イボが残っていれば2週間後に再治療します。
  • 再発率は10%です。
  • 治療部位の周囲に環状に再発することが5%あります。

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画像資料

足底部のイボ

足底部のウイルス性のイボです、モザイク状で部分的に微細な黒点が見えます。

イボ 足底 水疱形成薬
薬物の塗布直後は痛みはありません、数時間後〜2日以内に火傷の様なジンジンした痛みが出現し始め、水疱が出現します。
2〜3日後

表面の浮いた皮膚を除去します

足底イボ 水疱形成薬
水疱を除去した時点でイボが残っているようであれば、色素レーザーを照射する事があります、またはレーザーを照射せずに2週間後再度水疱形成薬を使用します。
治癒過程

ほぼ3週間で傷は乾きました。

足底イボ 水疱形成薬
サージトロンの治療に比べて、痛みが少なく、術後の管理も楽です。レーザー単独に比べて角質が除去されているため治療成績が向上し安定します。厚みのあるイボに関しては最終的にサージトロンを治療します。
合併症
  • 非常に稀(60年に3例)ですがリンパ管炎が起こる可能性があります。
  • 非常に稀(60年に1例)ですがリンパ管炎後のリンパ管閉塞による下腿浮腫が起こる可能性があります。
  • 治療部にの周囲に環状のイボが出来る事があります。
  • ヘルペス様に皮膚炎が出来る事があります。
  • 5%の確率で環状にイボが再発します。
  • 治療部位の瘢痕・色素沈着の可能性。
  • 細菌感染の可能性。
  • 治療部位の感覚の鈍麻やシビレが残る可能性があります。
  • 治療部位が爪の周囲の場合、爪の変形する可能性。
  • 治療部位が指・趾の場合、治療中に感染症が発生した場合に関節の変形する可能性。
非常に稀ですがリンパ管炎と続発性のリンパ管閉塞の合併症の報告があります。

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重度合併症の詳細

約60年間に3例の重度合併症、下肢リンパ管炎の報告があります、症例の詳細を記載いたします、全て足底、趾の症例です。

  • 2例は同じ医師による1975年の報告です。
  • 患部に24時間患部に貼付、30時間後にリンパ管炎が出現した。
  • リンパ管炎は抗生剤と患部圧迫で症状は軽快した。
  • 2例とも同じ医師であり、カンタリジン使用後、50%サリチル酸絆創膏を使用していることより、医師の手技的な問題があるのでは推測しています。
  • もう一例は1995年の症例で若い女性の足底部のイボの治療です。
  • カンタリジンの濃度が0.7%と小児にも使用する弱いタイプでした。
  • 足底部の数カ所のイボにカンタリジンを塗布。
  • カンタリジンを塗布後2〜3時間後より赤みと痛みが出現し皮膚潰瘍になった。
  • 強い炎症は翌週にはなくなったが、リンパ管浮腫は改善されず残ってしまった。
  • 3例目の症例は経過より、薬剤に対する強いアレルギー反応と続発したリンパ管炎、リンパ管閉塞と推測されます。

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水疱形成剤で治療出来ない方(部位)
  • 妊娠・授乳中の方
  • 12歳以下の方
  • 糖尿病のある方
  • 末梢循環障害疾患のある方
  • 眼の周囲・顔面・粘膜・陰部
  • 傷のある部位
  • 炎症のある部位
  • 乳がんの既往がある方の腕、手指

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免責

  • 本治療薬はカナダにおける処方薬では有りますが、日本国内の承認薬出ないため、医薬品副作用被害救済制度の対象外になります。
  • 極稀(50年に3例)に薬剤性のリンパ管炎とその後のリンパ管炎閉塞(50年に1例)による下腿浮腫の報告があります、リンパ管炎とリンパ管浮腫が発生した場合、可能な限りの医学的な対応はいたしますが、浮腫の後遺症が残る場合があります、後遺症に対する賠償等については負いかねます。

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その他

以下の症状が見られた場合はすぐにテープを剥がし、患部を石鹸で洗浄後、ぬるま湯でよく洗い、アイスノンで冷やし、なるべく早く再診してください。

  • 激しい痛み
  • 発赤・腫脹・熱感
  • 線状の発赤

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施術料金

施術料金はサージトロンの施術料金に準じます、1回で取り切れない部位に関しても大きさを測定して再度施術料金が発生いたします。

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【尋常性疣贅・ウイルス性イボ】目次
  1. イボとは
  2. 当クリニックのイボの治療方針
  3. サージトロンによるイボ切除
  4. 症例写真
  5. 浸潤療法
  6. 術後の経過と管理
  7. 治療料金表
  8. 術後のトラブルと再発
  9. レーザーによるウイルス性疣贅の治療
  10. 水疱形成剤によるイボ治療

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