ねむたい眼・頭痛・肩こりがひどい・見にくい。
上記の様な症状をお持ちの方は、眼瞼下垂の可能性が考えられます。健康保険が適応される手術で改善が可能です。 お悩みの方は福岡市早良区の【星の原クリニック】まで一度ご相談下さい。
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」
眼瞼下垂の症状
「眼の開き」が悪くなる病気です、眼精疲労や肩こり、自律神経失調の原因になります、外見上は眠たい眼になり、それ以外に以下の様な症状があります。
- 黒眼の部分が小さい(健常人は80%以上の黒眼が見えます)
- 瞳孔が上瞼にかかって視界が悪い
- 眉を上げる癖がある
- 眼の上が凹んでいる
- 顎を上げる癖がある
頭痛・肩こり
上眼瞼挙筋を使っても眼が開かないので、常におでこの筋肉、前頭筋を使用して眼を開けようとし、前頭筋の疲労が蓄積されます。
次に目を開ける筋肉には眼瞼挙筋以外にミュラー筋があります、ミュラー筋は交感神経支配で、自分の意志ではコントロール出来ません。 自分の意志で上瞼を開けることできないので、脳は無意識の内にミュラー筋を使って眼をあげようとします、その結果交感神経が常に刺激された状態になります、交感神経は心拍数を上げ、血管を収縮させ、筋肉などの血流障害を招き、それが肩こり・頭痛・血圧上昇の原因となります。
- 慢性的に前額の筋肉(前頭筋)を使用しているため前頭筋の疲労。
- ミュラー筋の使用による交感神経興奮。
- 感神経刺激による肩・首の血管収縮による血流障害。
眼瞼下垂の原因
多くはハードコンタクトレンズの長期装用と加齢によるものです、赤文字以外の原因は教科書的に記載されていますが稀な疾患です。瞳孔異常や眼球運動障害などがある場合は動眼神経や脳神経の筋ジストロフィー症などの大きな病気が隠れている場合があります、また先天性眼瞼下垂の診断は問診のみで診断可能です。
- ハードコンタクトレンズによる眼瞼下垂
- 老人性眼瞼下垂
- 白内障術後
- 先天性眼瞼下垂
- アレルギー等で上瞼を掻きすぎた為
- 外傷による炎症性癒着
- 脳腫瘍(動眼神経麻痺)
- 重症筋無力症
- 外眼筋ミオパチー
- ホルネル症候群
- Fisher症候群
- 原因不明
腱膜性眼瞼下垂の原因
ハードコンタクトレンズの長期装用、白内障の手術、花粉症による上瞼を長期間擦ることによりまぶたに以下のようなことが起きます。
- 挙筋腱膜の瞼板からの乖離
- 挙筋腱膜の菲薄化
- 挙筋腱膜の周囲組織との癒着
- 挙筋腱膜自体がない(先天性眼瞼下垂)
挙筋腱膜の瞼板からの乖離
瞼板から挙筋腱膜が外れて、眼瞼挙筋が収縮しても力がうまく伝わらないため眼が開きません。
挙筋腱膜の菲薄化
挙筋腱膜がゴムのように伸びて、筋肉の収縮が伝わらず、瞼があがりません。
挙筋腱膜とミュラー筋間の脂肪の沈着と癒着
筋膜が周囲にくっついて筋肉を動かすことが出来ません
手術の要約
二重のラインにそって切開します
今ある【二重のライン】か、三重がある場合は【幅の狭いライン】で切開します。
挙筋腱膜を同定します(ここが少し難しい)
眼瞼下垂の患者さんの【挙筋腱膜】は腱板から乖離して、奥の方に【引っ込んだ】状態です。
挙筋腱膜の剥離
挙筋腱膜を【眼窩脂肪】や【ミュラー筋】から剥離し、動きやすくします。
挙筋腱膜の固定
引きずり出した【挙筋腱膜】を腱板に糸で固定します
確認
左右差、眼の開き具合、形、まつ毛の向きを調節します
二重形成
一重は視界不良の原因となりますので、二重を補強します行います、広い二重は開眼に影響しますので出来ません、基本的に奥二重になります。
皮膚切除
皮膚のタルミが視界不良の原因となっている場合は皮膚切除を行います
閉創・冷却

細かい糸で表面を縫合します、30分ベットで眼を冷やしてからご帰宅です。
症例写真
術後の腫れのピークは術後2~3日です、内出血が出来る場合が有ります、ほとんど腫れは2~3週間で無くなります。
術前・術後写真1
ハードコンタクトレンズ長期装着による眼瞼下垂です。目の開きではなく二重が広くなって異変に気づきました。まぶたが厚くなく、狭い二重で、血が出にくい方であれば手術後も右の写真の様にあまり腫れません。
黒目の下に白眼が見える現象を"lower scleral show"といい、眼瞼下垂症の時に良く見られます。
手術前・手術後写真2
こちらの患者さんもハードコンタクトレンズ長期装着による眼瞼下垂です、右の目の開きがよくありません、すごく鬱陶しかったそうです。

手術前・手術後写真3
30年以上のハードコンタクトレンズ使用による、重度の眼瞼下垂で虹彩の70〜80%が上瞼で隠れ、著しい視野不良を認めます。
手術前・手術後写真4
78歳女性です、下垂の程度が酷く、視野は20〜30%しかありません、先天性眼瞼下垂の疑いもありましたのでご本人と家族の方にしつこく、昔は目は良く開いていたかどうか問診を致しましたがはっきりした答えが得られず、先天性眼瞼下垂の可能性も考慮しつつ手術を行いました。
手術前・手術後写真5
40歳代の女性です、30年間のハードコンタクトレンズの使用歴があり、10年前より眼の開きが悪いことを自覚していました。
手術の流れ
当日
- ハードコンタクトレンズ は手術前に外して頂きます。
- ソフトコンタクトレンズは装着した状態で手術が可能です。
- 手術時間は片眼で約30~45分になります。
- 術後、ベットで約30分間冷やして頂きます。
- 抜糸まで眼の上眼瞼のメイクは出来ません、上眼瞼以外はメイク可能です。
- 手術当日、車の運転はお控えください。
2日目以降〜
- 翌日;腫れ具合、血腫の有無を確認します。
- 3日目;腫れのピークです、腫れの為に眼が開けにくなっています。
- 7日目〜;抜糸、まだ腫れは残っています。
その他
- 術前に採血が必要になります。
- 術後の腫れは1〜2週間目立つ事があります。
- 片眼ずつの手術も可能です。
術後に腫れやすい方
- 目が小さい方
- 眼球が突出している方
- 上眼瞼の皮膚が厚い方
- 皮膚を切除した場合
- 過去に眼瞼下垂の手術をしたことがある方
- 手術中に出血が多い方
当院の眼瞼下垂術が選ばれる理由
幅広い症状に対応します
【眼瞼下垂手術】は、患者様の脂肪量・眼筋腱膜の状態・癒着の有無・先天性か後天性か等、一人ひとりベストな手術方法が異なります。手術をお探しの際は、経験豊富な医師をお勧め致します。
健康保険で対応いたします
当院の手術は【健康保険が適応】される術式で行います。【自費診療】の方が【保険診療】より高度な事を行うというイメージをお持ちの患者様も多くいらっしゃいますが、手術の内容は変わりません。【眼瞼の手術症例】が多い、眼科より【形成外科】での手術の方が、術後の仕上がりが安定していると思います、眼瞼下垂手術は【保険診療】をご検討下さい。
審美性も配慮しています
院長の林は大手美容外科での勤務も長かっため、一般の形成外科や眼科に比べて多くの審美的な手術をしてきました。健康保険での眼瞼下垂術は審美的な内容は含まれていませんが、視界不良の原因となるため、【全例で二重の補強】を行っています、また視界不良の原因となる場合は皮膚のたるみも切除し、術後の見た目にも配慮致します。
※二重の幅や形の指定等、大がかりな変更は自費手術となりますのでご了承ください。
手術代金
- 3割負担の方で22,000円(片眼)
- 1割負担の方で7,500円(片眼)
- 両眼は上記の2倍になります
その他
ヘリング現象(Hering's law )について
片方の眼瞼下垂、又は左右差の眼瞼下垂がある時、症状の重い方の眼を治療すると【治療した眼】とは【逆の眼】の開きが悪くなる現象を言います。ヘリング現象を認める患者さんは両方の眼の手術が必要になります。