蕁麻疹の写真です

 突然の赤い、痒みがある、盛り上がり・・・・

上記のような症状が出ている方は、蕁麻疹の可能性が考えられます、お困りの方は福岡市早良区の星の原クリニックまで一度ご相談ください。

以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊

蕁麻疹のとは

はてな2

蕁麻疹は、赤くクッキリした盛り上がり(膨疹)出来る病気で、膨疹は痒みを伴う場合が多いのですが、痛たかったり、痒みがない場合もあります。 それぞれの膨疹は普通は数時間以内に消え、違うところに新たに出現し、出たり消えたりを繰り返します
膨疹は楕円形線状花びら状地図状などいろいろな形をとりますが、いずれの場合も一定時間内に跡形もなく消えてしまうのが特徴です、稀に半日から一日近く消えない物もありますが。

  1. 赤い痒みのある盛り上がり
  2. 痒みがない時もあります
  3. 数時間で出たり消えたりを繰り返します
  4. 跡形もなく消えます
血管性浮腫
唇や瞼が2−3日腫れる場合は【血管性浮腫】と言われ蕁麻疹の一種と考えられますが、一般的な蕁麻疹に比べて腫れている時間が長いです

蕁麻疹の原因

そうか

痒みの原因となる【アレルゲン】や何らかの刺激がマスト細胞(肥満細胞)に作用して、マスト細胞(肥満細胞)がヒスタミンという物質放出します、ヒスタミンは神経に作用して【痒み】や【痛み】を誘発し、血管を拡げ、血液の水分を血管外に染み出させ、皮膚が膨らませます。(I型アレルギー)

様々な誘引

蕁麻疹は単独の原因で誘発されることもありますが、複数の要因・刺激が組み合わさった生じる事もあります、普段は問題なく食べられるもの体調が悪い時や、食べた後運動した時に生じる蕁麻疹もあります。
まれに【甲状腺機能障害】との関連性や、一部では胃の【ピロリ菌】が関係していることがあります。

  1. 突発性(73%):原因が特定できない、毎日出ることが多い。
  2. 物理的刺激(10%):摩擦・寒さ・暑さ・紫外線・圧迫。
  3. コリン性(7%):入浴・運動・緊張・発汗。
  4. 外来抗原・アレルゲン性(5%):食物・薬物・植物・昆虫・薬品・化粧品など。
  5. 食物依存性運動誘発:特定の食物を食べた後に運動した場合、食事のみでは出ない。
  6. 感染症(細菌・ウイルス・寄生虫)
  7. 疲労、ストレスなど

検査

いろいろ検査しても70%は原因が分かりません、また当院では血液検査(RIST)しか実施しておりません。 しくしく

血液検査

【IgE RIST(リスト)】
全てのアレルゲンに対するIgE抗体をはかる方法で「非特異的IgE検査」「総IgE」とよんでいます。
【IgE RAST(ラスト)】
そしてもう1つが、アレルゲンごとのIgE値をはかる方法。これを「特異的IgE検査」とよんでいます。

皮膚テスト

皮内テストはアレルゲン(アレルギーの原因物質)エキスを皮内に注射したり、細い針でアレルゲンを皮内に入れて、15分後の反応をみるものです。

誘発テスト

  • 【温熱・寒冷・圧迫蕁麻疹】は原因と思われる刺激(温熱・寒冷・圧迫)を皮膚に与えて蕁麻疹ができるかを調べます。
  • 【日光蕁麻疹】は可視光線を出すランプを背中にあてて発疹が出現するかどうかを調べます。
  • 【コリン性蕁麻疹】の場合は、アセチルコリンという物質を皮内に注射することで人工的に汗をかかせて症状が出てくるか調べます。

負荷テスト

ショックの可能性があるため入院をして行う検査です、原因と思われる食べ物や薬剤を摂取して蕁麻疹の反応が出るかどうかをみます。

治療法

原因が判っている蕁麻疹と原因が判っていない突発性蕁麻疹で異なります。

  1. 原因が判っている蕁麻疹は自然に消失、軽減することはあまりありません。
  2. 原因が判明している場合は、悪化因子を取り除くことが最重要になります。
  3. 原因が不明で毎日出る蕁麻疹は薬を毎日飲み続けることが大切で、薬を飲み続けると自然に過敏症が消失、軽減する例が多くあります。

軽症

  1. 抗ヒスタミン薬の内服
  2. ステロイドの軟膏

治療抵抗性

  1. 抗ヒスタミン薬に加えて
  2. H1ブロッカー(もとは胃薬です)
  3. 抗ロイコトリエン薬(喘息・アレルギー性鼻炎の薬です)
  4. 葛根湯・黄連解毒湯など

重症例

  1. 上記に加えてステロイドの内服(プレドニン5〜15mg)

よくある質問

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Q:蕁麻疹は遺伝しますか?

A:ごく一部の例外を除いて遺伝することもありません、唇や瞼が腫れる蕁麻疹の一種・【血管性浮腫】は稀に喉の奥が腫れて窒息する場合があります、繰り返し現れる血管性浮腫の場合は精密検査が必要となります。また発熱・難聴・関節痛を伴う蕁麻疹は遺伝病の可能性があります。

Q:内臓の病気があると蕁麻疹になりやすいのですか?

A:多くの蕁麻疹は、出たり消えたりを繰り返すため、内臓の病気の反映と思われがちですが、一部の疾患(甲状腺疾患、ウイルス性肝炎、胃のピロリ菌など)を除いて、大部分の蕁麻疹は内臓の病気とは関係なく、検査をしても原因がほとんど特定されません。

補足

  1. 何日も消えないものや、赤みがなくなった後にシミが残るもの、粘膜に病変があるものは多形(滲出性)紅斑などが考えられます、また発熱や関節痛が続く場合も蕁麻疹以外の病気が考えられます。
  2. 日光、摩擦、温熱、寒冷、食物など原因が判っているものはそれらを避けてください、原因がよく判っていない突発性蕁麻疹は根気よく内服を続けることが大切です。