福岡市早良区の形成外科・皮膚科の星の原クリニックです、怪我・火傷・レーザー治療後に出来るシミの事を【炎症性色素沈着・PIH】と言います、このページではレーザー治療後のPIHの原因と治療について医師が解説します。
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」
レーザー治療後のPIHとは

せっかく取れ たシミが『すぐに出てきた』と患者さんに取ってはかなりガッカリです、世界中のレーザー治療医が対策を研究していますが、未だにPIHを完全に予防出来ていません。
戻りシミの原因
以下のような原因が考えられます、3番、4番特に大切です。- 体質
- レーザーの反応が強すぎ
- 治療後の摩擦
- 治療後の日焼け
- ヘビースモーカー
PIHの頻度

一般的には40%の患者さんでPIHが出ると言われています、当院ではレーザー照射時にPIH予防の様々な工夫で現在では20%程度になっています。
ほとんどのPIHは自然に消えます

- 1ヶ月後にPIHがある頻度40%
- 3ヶ月後にPIHがある頻度:11%
- 6ヶ月後にPIHがある頻度:1%以下
PIHのピークは施術後一ヶ月です

- シミにレーザーを照射
- 7~10日間、痂皮(カサブタ)ができます、テープ保護
- 痂皮がとれ後ピンク色の肌が見えます
- 痂皮の取れた後の赤みが強い場合はPIHが起こりやすい
- PIHのピークは1ヶ月です、その後時間とともに薄くなります。
- 1ヶ月後にPIHが出ていなければ、その後PIHを起こすことはほとんどありません
戻りシミ・PIHの経過写真
PIHの予防
スキンケア

とてもとても大切です!PIHの原因の多くは治療後の不適切なスキンケアが原因です!治療後のスキンケアについては、施術後に担当者より詳しく説明いたします。
- 摩擦防止
- 紫外線予防
- 保湿
外用薬
照射後4〜6週間、【弱い外用ステロイド軟膏】が、経験上高いPIH予防効果があります。またシミ取り外用薬の【ハイドロキノン・トレチノイン】もPIHの予防に効果的です。
PIHの治療
レーザートーニング・ピコトーニング
1〜2週間間隔で弱いレーザー、レーザートーニング・ピコトーニングを行うと早くPIHが薄くなることがあります、一部の海外のDrは【赤みの残っている時にトーニングを行うとPIHの予防効果が極めて高い】と報告があります、欠点は手間とコストがかかることです。
内服薬
シミの内服薬【トラネキサム酸・ビタミンC・ビタミンE】の内服を行うこともあります、劇的に効くというわけではありません。
ハイドロキノン・トレチノン
シミの標準的な外用治療です、自宅で出来る治療です。
時間

時間・待つ事はとても有効な治療手段です、99%は半年で改善します。
PIHもどき

一度消えがシミが、PIHと異なり6ヶ月以上経過しても薄くならないタイプのシミです、【PIHもどき】は顕微鏡写真で見ると表皮の底の形がいびつです(出芽タイプ)。
平坦 or 出芽?

【PIHもどき】のシミの治療前後
『PIHもどき』のシミは治療で取れた様に見えますが、深い部位にあるシミが取りきれておらず、シミが再発してきます、PIHと異なり時間が経過しても薄くなりません、高出力での再照射が必要になります。