VTRACは紫外線治療器の一種で、アトピー性皮膚炎・乾癬・白斑などの治療に使用します、狭い病変の治療に適しています。
VTRACの治療は保険適応があり3割負担で1,020円、1割負担で340円になります、治療間隔は症状が悪い時は1週間に2回、落ち着けば1〜2週間に1回となります。
VTRACの特徴
- 治療時間が短い
- 他の治療法に較べて治療効果が高く、効果が出るのが早い!
- 病変部のみ照射可能
- 紫外線の総照射量が少ないので発癌のリスクが低い
- 健常部への紫外線被爆が少ないので余計な色素沈着が起きにくい
- 他の紫外線治療器より深部まで到達するので、難治性の症例効果が期待できます。
治療対象疾患
健康保険が適応される疾患
健康保険が適応されない疾患
- 円形脱毛症
- 扁平苔癬
- 結節性痒疹
- 日光蕁麻疹
- 毛孔性紅色粃糠疹
- アミロイド苔癬
- 皮膚ムチン沈着症
- 強皮症
VTRACの波長は308±2nm
紫外線治療機は発癌などの副作用を誘発する波長と治療効果が高い波長が極めて近く、狭い領域にあります、乾癬の治療に適した紫外線の波長は303~307nm付近にピークがあり、295nm以下ではほとんど治療効果がなく、紫外線の副作用のみが出ます。副作用と治療効果がでる波長の幅が290〜310nmととても狭い範囲にあります。
- 紫外線の波長は100~400nmの範囲。
- 290nm以下は発癌性があります。
- 副作用が少なく、治療効果が高い波長はわずか300~310nmの狭い範囲にしかありません。
VTRACの輝度(光の強さ・明るさ)
VTRACは他の紫外線治療器に比べて強い光を照射します、ナローバンドUVBでは3〜5分照射するエネルギーをVTRACは1〜2秒で照射します、光の強さ、明るさはナローバンドUVBに較べて100~200倍になります。
- VTRACは光の強さ・明るさがナローバンドUVBの100〜200倍
- VTRACは照射時間が1〜2秒(ナローバンドUVBは3〜5分)
- VTRACは照射時の光のピークパワーが高いため光のエネルギーが皮膚の深くまで届きます。
例えるならナローバンドUVBは豆電球で、VTRACはフラッシュライトになり、VTRACは明るい光を一瞬で照射します。
症例写真
尋常性白斑
他の治療よりも治療成績は良いのですがそれでも50~100回の照射が必要な場合があります、症状が改善しない場合は保険適応外ですが1mm台の小さな皮膚移植を行なう事もございます。
円形脱毛症
円形脱毛症は毛根に対する自己免疫疾患ですVTRACは毛根を攻撃する、リンパ球に作用します。申し訳ございませんが保険診療の適応がございません、治療は1〜2週間に1回で5〜10回必要になります、残念ながら1回だけでは治りません。