以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」

粉瘤と間違えやすい病気について

粉瘤は表皮や毛包の組織が陥入して、袋状に垢・汗等の老廃物が貯まる病気です。 一般の患者様の知名度があり、よく粉瘤と間違われやすい病気として、ニキビと脂肪種が挙げられます。本ページではこれらの病気と粉瘤の違いについて解説します。
粉瘤の原因についてはこちらのページで解説しています。

脂肪腫

粉瘤に次に日常的に良く見かける皮下腫瘍です、穴がない粉瘤とは視診と触診では区別がつかない場合が多くありますが、エコー検査をすれば一目瞭然です、【脂肪層】【筋層内】【骨膜下】など様々な深さで発生します、自然に消失する事はほぼありません、大きくなると傷跡が大きくなるので早めの外科的な治療をお勧めします。

石灰化上皮腫(毛母腫)

石灰化上皮腫(毛母腫)も日常的によく遭遇する皮下腫瘍です、小児に良く起こる所が粉瘤と異なります、また触った感じが石の様に硬いのも粉瘤との違いです、粉瘤の様に被膜がなく、筋層内や皮下脂肪に入り込んでいることが珍しくなく、小さい傷では再発しやすく、粉瘤に比べて手術の跡が長くなります。

血管脂肪腫

全身に多発する皮下腫瘍です、ほとんどの場合皮膚に色調の変化はありません、薄い被膜に包まれた嚢胞で、内容物はコーンポタージュの様な液体です、多発するのが特徴で、数が少ない場合はエコーでは粉瘤と区別がつきません。上記の多発性脂腺嚢腫より日常診療でよく見かけます、治療は外科的摘出になります。

外毛根鞘嚢腫

頭部に出来る【粉瘤】と思っていただいても大丈夫です、見た目は一般的な粉瘤と区別がつきません、一般的な粉瘤と違い稀に【増殖性外毛根鞘嚢腫】と言う悪性度のある腫瘍になる場合があります。

慢性肉芽腫

ニキビや粉瘤が中途半端な炎症を起こした状態で、多くの場合大きくなったり、小さくなったりを繰り返します、被膜はハッキリせず、内容物はゼリー状の半固形で押しても、摘んでも出てきません、切開して掻き出します、炎症のない粉瘤の様に【くり抜き法】では根治出来ません、手技も煩雑で時間がかかります、内服で落ち着くことがあるのでまずは抗生剤の内服で様子を見ます。

化膿性汗腺炎

繰り返し炎症と膿瘍を起こす疾患です、臀部(おしり)・腋窩(わき)、鼠径部、乳房下などアポクリン汗腺の多い部位に発症します、炎症性の粉瘤とは初期の段階では見分けがつきません、化膿性汗腺炎は注意深く手術しても膿瘍が再発するのが特徴です、重症度が高い場合は、アダリムマブ(ヒュミラ®)の皮下注射を行います。有棘細胞癌が〜4.6%発症すると報告されていますので注意が必要です。

毛巣洞(毛巣瘻)

肛門と尾底骨の間に発症する膿瘍で、炎症性粉瘤と大変似ており区別が難しいです、粉瘤のように皮下の袋状のシコリができて、その中に毛髪入り込む病気です。多くの場合、嚢胞は肛門近く正中に発症してほとんど頭側に病巣が広がって行きます。粉瘤だけでなく肛門の病気の痔瘻とも鑑別がつきにくいため、総合病院での精密検査が必要で、専用の手術台もいるため星の原クリニックでは治療を行いません、原因は分かっていません。

耳瘻孔

耳たぶ付近にできる嚢胞性の疾患で、病態は粉瘤に近く、皮下に皮膚の一部が潜り込んだ状態で、底に垢や皮脂が溜まります、出生時より小さな穴があるのが特徴で、問診で診断がつく時があります。

皮膚線維腺腫

粉瘤と同様に【しこり】となる病気ですが、粉瘤が皮下の病気に対して、【皮膚線維腺腫】は皮膚にできる病気で皮膚ごと切除する必要があり、粉瘤のように【くり抜き法】による手術が出来ません、気にならなければ様子見で大丈夫です、それほど大きくなりません。

外傷性・術後瘢痕

粉瘤の手術後にできる【しこり】です、体質や病変部の場所に影響されます。粉瘤の再発と区別が難しい場合があり、エコー検査でも粉瘤と診断してしますことがあります。

多発性脂腺嚢腫

思春期以降に、全身(特に腋窩,前胸部,上肢などに好発)に多発する皮下腫瘍です、内容物は皮脂で満たされています。大きさは3~30mm程度で、個々の摘出は難しくありませんが、嚢腫が極めて多く根治が大変です、内服や外用薬では良い治療法はありません。あまり見かけません。

福岡市、早良区の星の原クリニックでは、傷跡が少ないくりぬき法を用いた粉瘤の手術を行っております。

福岡で粉瘤の治療なら星の原クリニック

当院の粉瘤治療について詳しく知りたい方はこちら⇒